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【八つ墓村】犯人『森美也子』の動機は?最後やトリックもネタバレ解説

【八つ墓村】犯人『森美也子』の動機は?最後やトリックもネタバレ解説 小説・実用書

横溝正史せいし著作『八つ墓村』。

作中で8件の殺人事件が起こりますが、このすべての犯人は『森 美也子』です。
過去の夫殺しも入れると彼女が殺害した人間は計9名。

化けの皮が剥がれる様は中々に衝撃的でした。

「恐ろしい女でしたな。すごい女でしたな。
昼は美貌と才気であらゆる男を魅了しながら、夜はうば玉の闇の衣を身にまとい、殺人鬼となって、洞窟の奥から奥へと彷徨ほうこうする。
天才的毒殺魔であると同時に、天才的殺人鬼でもあったわけです。
ああいうのを女妖にょようというのでしょうか」

金田一耕助ファイル1 八つ墓村より

この記事では『犯人・森 美也子』について

  • 犯行動機(なぜ連続殺人をしたのか?)
  • そもそもどんな人物なのか?
  • 殺害した人物及びトリック解説
  • 最後どうなったのか?(逮捕や死亡は?)

ネタバレ解説していきます。

この記事では原作小説を参照しています。
映画・ドラマ版では変更が多いのでご注意ください。

『森 美也子』とは?

まずは『森 美也子』という人物について、簡単な解説です。

西屋(野村家)の若奥様。
夫『達雄』は約五年前に死亡。(美也子が殺害した)
美しく、都会的に洗練されている。
主人公から見ると快活で姉御肌だが、女性からは「あんまり好きじゃない」「難解な性格」「なんだか怖い」といった評価。
前半は主人公の味方面。
後半は主人公殺害の暴動を扇動。

▼美也子の関係者図解

八つ墓村の資産家として
西屋『野村家』と東屋『田治見家』がある。
野村家の当主が『荘吉』で、その弟『達雄』は亡くなっている。達雄の妻が美也子。
しかし荘吉は美也子が達雄を殺したのだと疑っており、この調査を探偵の金田一に頼んでいた。

一方田治見家。本家の人間はこの図では省略するが、慎太郎とその妹典子がいる。そして慎太郎と美也子が恋仲である。

美也子の殺人動機は?

結論から言うと、美也子が連続殺人を犯した動機……最終目的は「里村慎太郎と結婚すること」でした。

男女の駆け引きなど難解な描かれ方がされていますが、できるだけ簡単にまとめると……

美也子と慎太郎は本当に愛し合っていた。

美也子が夫を殺したのも慎太郎と結婚するためだった。

しかし軍人だった慎太郎は戦後落ちぶれた。
貧しい慎太郎と、戦争中にダイヤモンドを買い占めて金持ちの美也子。
気位の高い慎太郎は結婚の申し込みなどできない。

美也子は「慎太郎が田治見家の遺産を継いで金持ちになれば、プロポーズしてくれるだろう」と考える。

慎太郎より相続順位が高い田治見本家の人間を皆殺しにする。
(カモフラージュとして関係のない人間も殺害)(辰弥のみ失敗)

ということです。

難解な慎太郎への愛

美也子と慎太郎(軍人)

補足しておくと、美也子は作中で「慎太郎を愛していた」などとは言っていません。

むしろ「戦時中の情報を知るために軍人の慎太郎を利用していた」と口にだしており、

周囲も「戦後落ちぶれた慎太郎が捨てられた」という認識でした。

しかしこれは美也子のパフォーマンスだったのでしょう。

結局のところ、典子の考察が正解でした。

「都会的で金もある美也子が戦後4年も田舎に居続けているのは、慎太郎からの結婚の申し込みを待っているから」。

事実、美也子は「あなたが黙って死んだら、慎太郎がすべての罪を背負うことになる」と言われたとたん、何もかも自白しました。

負けるのが大嫌いな美也子が、金田一相手に負けを認め、「慎太郎は何も知らないのだ」と庇いだてしました。これが愛の証明でしょう。

9人殺すほど、美也子は慎太郎との結婚を望んでいた……ということです。

殺害トリックと殺害理由一覧

会席膳

美也子が作中で殺害したのは計9人。

被害者名、殺害方法(トリック)、殺した理由は下記の通りです。

被害者名殺した理由
殺害方法(トリック)
森達雄
(美也子の夫)
慎太郎と結婚するために殺害(したと思われる)。
毒殺。表向き脳溢血として処理された。
井川丑松カモフラージュで殺害。
隙を見て、薬を毒薬入りカプセルとすり替えた。
田治見久弥田治見本家の人間なので殺害。
あらかじめ薬局で、久弥用の薬のカプセルに毒を仕込んでいた。
蓮光寺の
洪禅和尚
カモフラージュ殺害。
混雑に紛れ、食事(会席膳)に毒を盛った。
梅幸尼カモフラージュ殺害。
混雑に紛れ、食事(会席膳)に毒を盛った。
濃茶の尼梅幸尼殺人において証言されると厄介な事項ができたため、口封じとして殺害。
絞殺。
田治見小梅田治見本家の人間なので殺害したが、タイミングは偶発的。
洞窟内で上から躍りかかって絞殺。
久野先生カモフラージュ・口封じ・犯人役擦り付けなど複数の動機があったと思われる。
洞窟内に連れ込み、握り飯に毒を盛った。
田治見春代田治見本家の人間なので殺害。
洞窟内で、鍾乳洞のかけらで刺した。

犯人容疑を久野先生に擦り付けるトリック

久野先生のポケット手帳イメージ

久野先生は、医者としてライバル関係である新井先生を殺したいと考え、妄想で殺人計画を練っていました。(実行する気はない)

推理小説が好きだったため、自分が新井先生を殺したとわからないように「村内で対立する立場の内、片方が殺されていく」というカモフラージュ動機まで考えていました。

しかし殺人計画このことを書いた手帳が濃茶の尼に盗まれ、偶然美也子の元へ……

美也子はこれを本命の「田治見家皆殺し」という動機のカモフラージュとして利用。

久野先生の自筆メモを犯行現場に置くことで、犯人を擦り付ける工作などを行っていました。

他にも「辰也を村に連れてきていながら、村に来ることを拒む怪文書を送る」など、本意と逆の行動で「犯人は自分ではない」と思わせる工作も。

行動力も演技力も思い切りも良すぎる殺人犯です。

【死因】森美也子の最後は?

美也子の美しかった手指

美也子は春代に嚙まれた傷が元で死亡しました。

  • 全身が紫色に腫れあがり
  • 骨肉をくいあらす苦痛にのたうちまわりながら

の死亡。

AIに聞いてみましたがきちんとあり得る死因らしく、現代医学で言うと

人咬傷から細菌感染→ 壊死性軟部組織感染症(壊死性筋膜炎など)→ 敗血症で死亡

というイメージらしいです。

犯人だとバレないよう、噛まれたことを隠していた(医者の治療を受けなかった)ことも大きいでしょう。自業自得です。

苦しみのたうちまわる……連続殺人犯の最後としてはふさわしいですが、

そんな状態の美也子から真相を聞き出すしかなかった、金田一の苦労もしのばれます……。

美也子の人を惹きつける魅力・巧妙さなどは、原作の風情ある言い回しでしか伝わらない部分があります。ぜひ原作小説でお確かめください。

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