『犬神家の一族』。莫大な遺産の遺言が公開された犬神家で、奇怪な連続殺人が起こる……という内容の、ミステリーの金字塔です。
この記事では横溝正史の原作小説をもとに、物語のあらすじをできるだけ簡単にまとめています。
映像化とは内容が異なる場合もあります。
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『犬神家の一族』はどんな話?3行で簡単に

まずは全体の流れを簡単にしてしまうと……
- 犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が、莫大な遺産を残して亡くなる。
- 一族を争わせるような遺言が公開され、三人の孫が次々と奇妙な姿で殺される。
- 探偵・金田一耕助が、仮面の男と連続殺人の真相を解き明かす。
こういう内容です。
遺産相続×一族の因縁×連続殺人。
物語の中心にいるのが、犬神家の恩人の孫として育てられた美女・野々宮珠世。
「珠世と結婚した者に、犬神家の遺産を継がせる」という遺言、過去の遺産争いと恨み、秘された血縁……すべてが明らかになり、決着がつく結末は必見です。
登場人物が多いこの作品ですが、とりあえず覚えておくべきところとしては……
犬神家には、佐兵衛の娘である松子・竹子・梅子と、
それぞれの息子である佐清(スケキヨ)・佐武(スケタケ)・佐智(スケトモ)がいます。
「三人の母親が、自分の息子を跡継ぎにしたがっている」と覚えておけば大丈夫です。
原作小説のあらすじを結末までネタバレ
ではもう少し詳しく、ラストまでのあらすじ解説です。
金田一耕助が那須にある犬神家へ

昭和22年(1947年、終戦から2年後)の10月。
私立探偵の『金田一耕助』は、
犬神家の顧問弁護士『古舘』の助手・『若林』に呼び出された。
しかし若林は、金田一に詳しい話をする前に毒入りタバコで死亡。
さらに同日、犬神家で暮らす『野々宮珠世』が湖でボート事故に遭うのを目撃する。
無事助けられたが、珠世は最近、何度も危険な目にあっているらしい……
佐兵衛のやっかいな遺言書が公開

11月1日。
『松子』の一人息子・『佐清』が戦地から帰還したため、『犬神佐兵衛』の遺言が一族に公開された。
その相手が犬神家の財産を受け継ぐ
※ものすごく簡単にした内容です。詳しくはこちらで解説。
なぜ犬神家の一員でもない『珠世』に、このような重大な役割を担わせるのか?
さらに遺言は、犬神家内で死人が出るほど、佐兵衛の愛人の息子『青沼静馬』の取り分が多くなるという内容で……
佐兵衛の実の娘たち(松子・竹子・梅子)は殺気立つ。
長男・スケキヨは本物か?

さらに戦争から戻った松子の息子『佐清』も、本物だか疑わしい。
戦争で顔にひどい傷を負い、元の顔にそっくりのゴム仮面をつけていると言うが……
佐武が殺される

そんな状況で第一の殺人が起こった。
竹子の息子『佐武』が何者かに殺害され、
その生首が、菊人形の首があるべき場所に置かれていたーー……。
怪しい人間として上がったのは、近くの宿に泊まっていた復員兵らしき男『山田三平』だ。
そしてここで、仮面のスケキヨが手形確認(過去の自分の手形との照合)を了承。
仮面の男は本物のスケキヨだと証明された。
佐智が殺される

さらに梅子の息子『佐智』も殺された。
遺産欲しさに珠世を無理やりモノにしようと、珠世を空き家に誘拐した佐智。だが……
「影の人」の暗躍により珠世は助けられ、
翌朝、空き家で佐智の死亡が確認された。
琴の糸を首に巻き付けられた奇妙な殺人に、
犬神家長女の松子が、「心当たり」として古い因縁を語り始める。
青沼菊乃を虐めた過去

佐兵衛は50を過ぎた頃、『青沼菊乃』という愛人を作った。
娘である松子よりも若い愛人……佐兵衛は彼女に、犬神家の遺産相続権……『斧、琴、菊』まで渡してしまった。
松子・竹子・梅子は激怒した。
結託して、菊乃が身を隠した先を突き止め、
雪の上に裸で転がし、水をかけて箒で殴り……菊乃の赤ん坊『静馬』の尻に焼け火箸をあてがった。
『斧、琴、菊』を返却させられた菊乃は、「いつか斧、琴、菊がむくいてくる」と呪いの言葉を放った。
「斧・琴・菊」の意味は既存記事へ:三つの家宝と見立て殺人を解説
青沼静馬が殺される
そして12月、最後の殺人が起こる。
殺されたのは仮面のスケキヨ。
凍った湖面から、二本の足が逆さに突き出ていたのが発見された。
しかし、確かに顔を怪我しているその男の正体は……
青沼静馬だった。
戦地で本物のスケキヨと出会った静馬は、スケキヨが戦死したと聞き、成り代わって犬神家に入り込んだ。

母の復讐を肩代わりし、スケキヨとして遺産を手に入れるために。
しかし本物のスケキヨは生きていた。
珠世の周辺に現れていた「山田三平」と名乗る復員兵。
そして正体不明の「影の人」。
これらが、本物のスケキヨだった。
湖の死体の詳しい経緯:湖の足は誰?なぜ逆さになったのか
連続殺人の真相・犯人発覚
本物のスケキヨを捕まえ、金田一はついに真相を突き止めた。
若林・佐武・佐智・静馬を殺したのは、松子であり、

本物のスケキヨは、静馬に母の殺人をネタに脅されていた。
そして静馬と一緒に死体を菊人形に乗せたり、琴糸を巻いたりして隠蔽工作を行っていた。
三人の行動が重なったため、事件はさらに複雑で奇怪なものになった。
松子は仮面のスケキヨを「本物の息子」だと信じていた。
だからこそ「息子・スケキヨに遺産を継がせるため」に殺人を行っていた。
しかし静馬が「自分は本物ではない」と松子に明かしたため、カッとなって殺してしまう。
取り返しのつかないところまで進んだと察した本物のスケキヨは、「自分が犯人だ」と遺書を残して自殺未遂を起こし……
警察に捕まった。
『犬神家の一族』の結末・ラスト

遂に本物のスケキヨ(怪我無し)と再会した松子。
実は佐兵衛の孫だと判明した珠世は遺産を継ぎ、結婚相手として、ずっと好きだったスケキヨを選んだ。
この後、スケキヨも隠蔽工作・銃の違法所持などで一度警察に捕まることになる。
しかし数年で出てこられるだろう。
安堵した松子は、罪滅ぼしとして珠世に「遺産の半分を梅子・竹子の孫に渡すように」頼む。
そして若林を殺した毒入りタバコで自殺した。
事件を時系列で簡単におさらい
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 10月18日 | 金田一が那須へ。若林が毒殺され、珠世もボート事故に遭う |
| 11月1日 | 仮面姿の佐清が帰還。佐兵衛の遺言が公開される |
| 11月15~16日 | 佐武が殺害され、菊人形から首が見つかる |
| 11月25~26日 | 佐智が琴の糸で絞殺される |
| 12月 | 湖から仮面の男の死体が発見され、入れ替わりが判明 |
| 事件解決 | 金田一が真相を解明。松子は自死し、佐清は罪を償うことになる |
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