この記事では東野圭吾さんのミステリー、『白鳥とコウモリ』について
- あらすじ・登場人物
- ネタバレ解説(ラストまで・相関図も)
- その後どうなったのか?続編は?
- 何故「つまらない」という意見があるのか
をネタバレ有りでお伝えしていきます。
「被害者の娘」と「加害者の息子」が手を取り合い、真相解明に挑む……これが『白鳥とコウモリ』というタイトルの意味でした。
「光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ」
長編ですが良作!ほんのりと恋愛要素があったのも面白かったです!
簡単なあらすじ
二〇一七年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。
捜査線上に浮かんだ倉木達郎は、一九八四年に愛知で起きた金融業者殺害事件と繋がりがある人物だった。
そんな中、突然倉木が二つの事件の犯人と自供。事件は解決したと思えたが。
「あなたのお父さんは嘘をついています」。
被害者の娘と加害者の息子は、互いの父の言動に違和感を抱く。
Amazonより
★2026年9月映画化
★続編『架空犯』も発売
登場人物相関図

ネタバレ解説(事件と真犯人)
『白鳥とコウモリ』は、「倉木達郎の自白を覆していく」のがストーリーの肝です。
ここからは達郎が「自分が犯人だ」と言った2つの殺人事件の真相はどうだったのか?
事件の概要と犯人&真実をネタバレ解説していきます。
【1984年愛知】灰谷殺人事件

1984年5月15日愛知県。灰谷という男が事務所内で刺殺されていた。
灰谷は詐欺商品の斡旋なども行っており、多方面から恨みを買っていた。
遺体の第一発見者は灰谷の甥と達郎だった。
5月18日、福間淳二(44歳)(浅羽洋子の夫)が逮捕。
5月22日、福間淳二が留置場で自殺。
1999年5月、公訴時効。
真犯人は当時大学三年生だった白石健介だった。
「祖母が灰谷に詐欺商品を売りつけられている」と気づいた健介は、祖母の金を取り戻すべく、何度も東京から灰谷の事務所を訪れていた。
しかし灰谷の口車に乗せられ、衝動的に刺し殺してしまった。
逃げるところを達郎に目撃された健介。
ところが達郎は灰谷のクズさを知っていたため、自主的に証拠隠滅を図ってくれた。
結果冤罪をかけられた福間が死亡してしまうが、二人は黙秘を続けた。
【2017年東京竹芝】白石健介殺害事件

2017年11月1日。東京竹芝桟橋近くに停めてあった車内(後部座席)で、白石健介(55歳)の遺体が発見された。ナイフで腹を刺されていた。
評判のよい弁護士で、恨まれるような人物ではない。
やがて白石に法律相談をしていたと言う倉木達郎(66歳)が逮捕された。
達郎は動機を「自分が1984年の事件の真犯人であり、相談した白石にバラされそうになったから」と語っている。
他にも白石との出会いから殺害までの経緯について、詳細に語っている。
真犯人は浅羽織恵の息子、安西知希(中学二年生)だった。

動機には33年前の事件が関連していた。以下殺害に至った経緯▼
①定年退職後、達郎は浅羽母娘の居場所を調べ「あすなろ」に様子を見に行く。やがて馴染み客になる。
②事件の約1年前織恵から告白された達郎は、灰谷殺人事件で自分が真犯人を庇ったことを打ち明ける。
しかし恨まれることなく関係は続く。
③織恵からもらったスマホで『白石法律事務所』を見つけた達郎。白石健介と会い、浅羽母娘の現状を伝えた。
改めて罪悪感に苛まれた白石は、身の振り方を考えていた。
④一方達郎も、白石のことを織恵に伝えた。
しかしそのメール内容を、息子・知希が盗み見た。
⑤知希が白石に会いに行った。一度目は予定があるからと名刺だけもらった。
二回目に、公衆電話で呼び出し殺害した。
⑥白石殺害のニュースを見た達郎は織恵に連絡し、犯人が知希だと知る。
知希から直接話を聞いた達郎は、白石が刺された時には生きており、自分で車を動かして犯人を庇おうとしたことにも気づいた。
達郎は知希&織恵に口止めし、自ら殺人犯の身代わりを買って出た。
【犯行動機】
当初知希は「人殺しと言われたことへの仕返し」「母や祖母の苦労」「両親の離婚」などをあげていた。
しかし具体的な話が出てこないことを詰めると、「殺人に興味があった」と証言。
「人殺しの孫」として恐れられたことがキッカケで、
メールを見て「この動機なら刑罰も軽くなるのでは」と考え、実行したらしい。
【結末の恋愛要素】美令と和真はその後どうなったのか?

協力して事件の真相を暴き、その中で手を繋ぐこともあった美令と和真。
しかし「殺人犯の娘」となった美令は、和真の手を取ることはありませんでした。
「(罪と罰の問題に対し)もしいつかあたしが何らかの答えを見つけられたなら」、その時は手を取ると言った美令。
両想いではあるわけですが、未来に進む前に、答えを出したい問いがある……ということです。
では続編で「美令が答えを見つけるとき」が描かれるのか?
残念ながら描かれないまま、著者の東野圭吾さんが2026年7月23日に亡くなってしまいました。
よって美令と和真の未来は、明るいものであることを信じることくらいしかできません。
架空犯とのつながりは?
ちなみに『白鳥とコウモリシリーズ』の続編として『架空犯』というタイトルが発売されていますが……
こちら、美令や和真は登場しません。
『白鳥とコウモリ』とのつながりはほぼ皆無で、なんなら読む順番も逆でも問題ないくらいです。
五代刑事が中心となって事件を解決していく~~という内容で、
物語全体の雰囲気、展開は似たところがあるかな?と思いました。気になる人は読んでみてください。
何故「つまらない」という意見があるのか

「白鳥とコウモリ」で検索すると、第二検索ワードに「つまらない」「面白くない」という言葉が出てきます。
確かにこの作品、エンタメ性は高くありません。
522ページと分厚い作品の中で、かなり地道に「達郎の自供をひっくり返す」という作業が行われます。
エンタメ性……ワクワク感やテンポの良さ、華やかな面白さを求めているのならばちょっと違うかもしれません。
ですが個人的な感想としては、東野圭吾さんの他の著作『架空犯』『クスノキの番人』と比べると面白いと感じました。
『容疑者Xの献身』には負けますけどね……こちらは超えてくれなかった印象です。
まとめ(ラストまでの要点要約)

『白鳥とコウモリ』についてまとめると……
- 倉木達郎は二つの殺人事件とも犯人を庇っていただけで、犯人ではなかった。
- 33年前の真犯人は白石健介、2017年の事件の真犯人は安西知希だった。
- 美令と和真、そして五代刑事により真相が暴かれた。
- 知希は捕まった。達郎は大腸がんで亡くなった。美令と和真は両想いだが、美令はまだ和真の手を取ることはできない。
ということでした。
2026年9月映画化のヒット作。達郎が大腸がんで亡くなりましたが、これは東野圭吾さんの実体験だろうか…?とも考えてしまいました。ぜひ読んでみてください。

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