『ちいちゃんのかげおくり』で、ちいちゃんは最後亡くなってしまいます。
しかし死因は何だったのか?作中で明確には描かれていません。
この記事では
- ちいちゃんの死因
- ちいちゃんのお母さん・お兄ちゃんの死因
を作中描写から考察していきます。
目次
ちいちゃんの死因は何?

明言はされていないのであくまで推測になりますが……
結論から言うと、死因は食料・水不足による衰弱死と思われます。
ちいちゃんは約3日後に亡くなった
ちいちゃんは空襲の日から何日生きたのか?
作中の描写をまとめてみました。
- 空襲を受けた日お母さん・お兄ちゃんとはぐれる
空襲警報が鳴り、お母さん・お兄ちゃんと避難するも、混乱の中ではぐれる。
橋の下で一夜を過ごす。 - 1日目焼け野原の町
朝になると町には焼け野原が広がっている。
近所のおばさんと焼けた自宅へ戻る。
おばさんと別れ、夜は壊れかかった防空壕で眠る。 - 2日目乾飯をかじって防空壕で眠る
乾飯(ほしいい)を昨日と同じように少しかじり、再び壊れかかった防空壕で眠る。
体力が徐々に低下していく。 - 3日目天に召される
昼頃目を覚まし、衰弱した様子が見られる。
一人で「かげおくり」をした後、天に召される。
空襲を受けた日を「0日」として、3日目に亡くなりました。
作中の描写をおさらい

特に注目したい描写は以下の通りです。
- 1日目・2日目とも、すこしのほしいいをかじっただけ
- 「ひどく、のどが かわいています」と描写されている
- 「あついようなさむいような気がしました」「ふらふらする足」と極度の衰弱を思わせる描写がされている
乾飯(ほしいい)は保存食ですが、水分がほとんど含まれていません。
しかも、作中では水を飲んだ場面は一度も描かれていません。
そのため、
- 脱水症状
- 飢餓(栄養不足)
- 極度の衰弱
これらが重なり、命を落とした可能性が高いと考えられます。
お母さんとお兄ちゃんの死因は何?

作中では、お母さんとお兄さんの死因も明言されていません。
空襲から避難中にちいちゃんとはぐれたところで描写が止まっており、
そもそも死すら明言されていないのですが……
天に昇るちいちゃんの元に歩いてきたことを考えると、やはり亡くなっているのでしょう。
(これをちいちゃんの妄想・幻覚と断じてしまわない限り)
ならば、お母さんとお兄ちゃんの死因は何だったのか?
結論から言うと、直接的に空襲の被害を受けて、二人一緒に亡くなった可能性が高いと思います。
お兄ちゃんは転んで足にケガををしていました。
しかしこのケガが原因で数日で亡くなった可能性は低いです。
そしてお兄ちゃんはこのケガが原因で背負われていたため、ちいちゃんのようにお母さんとはぐれた可能性も低いです。
ならば……
風が強い日で、炎の渦が追いかけてくるという描写。
やはり可能性として高いのは、
- 火災に包囲されつつあった避難経路で、火に巻かれて焼死した
- 火事で崩れた建物の下敷きになった
- 焼夷弾・爆弾の爆風や飛んできた破片による死亡
……などでしょう。
そして天国で出兵先の戦地で亡くなっていたお父さんと会い、その後ちいちゃんと合流……という感じでしょうか?
なんともむごいですね。
作者はあえて死因を明言していない?

なぜ作者は「餓死」や「脱水症」などと死因を明言しなかったのか?
これは死因よりも「戦争によって幼い命が失われた」という事実を強調したかったのではないでしょうか?
実際、ちいちゃんやお兄ちゃんのような死因は一例であり……
- 爆風で建物で生き埋めになる
- 原爆の放射線の影響で急性放射線症を発症し、数日から数か月後に亡くなる
- 栄養不足や衛生環境の悪化により、赤痢や肺炎などで亡くなる
- 家を失い屋外や粗末な避難所で冬を過ごし、寒さで命を落とす
- 疎開中の船や避難船が攻撃を受け、海で亡くなる
などという死因も存在するのです。
さらに言えば、生きていても後遺症を負ったり、家族で一人だけ生き残ったなど、
「生きていてよかった」と言い切れない事例もあります。
作者のあまんきみこさんは、ちいちゃんが亡くなるエピソードから、
「戦争は幼い子供の未来を奪うもの」だと、分かってほしかったのではないでしょうか?



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