夕木春央のミステリー小説『楽園』。
表紙の類似性から予測できますが、『方舟』『十戒』に続く続編です。
1作目の『方舟』↓
2作目『十戒』↓
3作目『楽園』(今回)↓
この記事では
- 『楽園』のあらすじ・舞台・登場人物
- 事件のトリックと犯人
- 『方舟』『十戒』とのつながり
をネタバレありで図解解説していきます。
あらすじ
殺人犯にならなければ脱出できない。
『方舟』『十戒』の著者が仕掛ける“禁忌の驚き”
亡き両親から不動産を譲り受けた康之は、失踪した賃借人・海原の遺留品整理の際に、群馬の山奥の謎の物件の存在を知る。
そこは、切り立った岩壁に囲まれた、「楽園」と呼ばれる奇妙な場所だった。
恋人の沙織と一緒にそこを訪ね、探索をはじめた康之たちは、すぐに六人の“住人”に拿捕された。脱出のための条件はーー
「誰か一人を殺さなければならない」――夕木春央が描く、極限のクローズド・サークル。
Amazonあらすじより
このあらすじは、わざとぼかされていますね。
「楽園」とは何なのか……絶対自分で読んでほしいです。
今回もほんっっっとうに期待を裏切らないストーリー。
単体でも読める内容ですが、特に『方舟』『十戒』が好きなら、ネタバレなしで読んだほうが絶対に良いです。
ほんとうに……ほんっとうに……!!今年読んだ本で、今のところ1位です。
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
『楽園』図解

登場人物

ネタバレ解説
ここから、結末までのネタバレを含んだ解説です。
【時系列順】出来事まとめ
主人公たちが楽園にいたのは19日間。
まずは出来事をザっとまとめてみます。
| 約1年前 | 康之が沙織と出会う→付き合い始める |
| 10日 ほど前 | 海原さんが失踪。 |
| 初日 | 康之&沙織で捜索へ。 覚え書きとして残されていた群馬の山奥の住所へ向かう。 隠れ住んでいた指名手配犯六人に捕えられ、監禁される。 |
| 3日目 | 「住民の誰かを殺して証拠(撮影動画)を預け、物資係として協力しろ」 (海原さんの代わりをしろ) と命じられる。 タイムリミットは約1か月。 |
| 5日目 | 康之に「新山さん家の塀が壊れている」と電話がある。 「来月初めの三連休に防犯カメラを確認する」ということで話がつく。 |
| 9日目 ~11日目 | 芹澤が自殺に偽装されて殺された。 犯人不明。 山田に「芹澤の死体で殺人の練習をしろ」と説教された後、芹澤の死体が傷つけられていた。 康之は「殺人・遺体損壊を沙織がやった可能性」について考える。 |
| 15日目 | 小田島が毒殺された。 使われたヒ素は見つかるが、犯人不明。自殺説も。 沙織から「全滅させて出る」選択肢を匂わされる。 |
| 16日目 | 沙織が残る住民4人に、「5日以内に一人殺害してビデオに録る」と約束した。 小田島の死体を使って「練習」した沙織に、康之も倣う。 |
| 17日目 ~18日目 | 康之は沙織が小田島・芹澤を殺した方法に気づき、 沙織も自分がやったと認めた。 「全員殺すなら三國のピストルを奪えば有利になる」と言う沙織に、 康之は共犯になることを決意する。 |
| 19日目 深夜 | 二人で三國を殺害。 その後、沙織から全てのネタ晴らしをされる。 自分が海原を殺害し、次の土曜になればそれが(新山さん家の)監視カメラでバレてしまうこと。 だから隠れ住む当てとして『楽園』にやってきたこと。 「沙織は本名ではないが、康之くんへの愛は本物」だと言う彼女を…… 康之は受け入れた。 |
尚、沙織の「里英は芸大に入ったところ」みたいなニュアンスから想像すると、
十戒から約2年後の出来事かなと思います。
- 十戒→11月
- 康之が引っ越してきた沙織と出会う→(翌年の?)9月
- 今回→その約1年後
真相の相関図

殺人事件解説
作中で殺されたのは4名です。その内犯人が分からないよう偽装工作が行われたのは
- コーヒーにヒ素を入れられた小田島
- 物置小屋で殺された芹澤
です。
内、若干ややこしい芹澤殺しのトリックを解説していきます。
芹澤は物置小屋で自殺に偽装されて殺されており、
閉まっていた物置小屋の鍵は、リビングの薬かごに入っていた。
※但し殺害時刻後、常にリビングには人がいた。
このトリックは『離れの鍵と物置小屋のドアノブを入れ替えた』です。

これにて沙織たちのアリバイが完成しました。
方舟・十戒を読んだ後だと面白さが倍増する

麻衣さん…!!!!
沙織=麻衣さんだと「前職は観光開発の会社」と明かされたところ(全体の6%部分)で気づいてテンションぶちあがりました。
そこからはもう、なんで偽名使ってるの?とか、「絶対自殺は選ばない」発言でそうだよね知ってるーー!となったり、「危機管理能力高い麻衣さんがここで逃げないだと?何かがおかしい……」となったり。
シリーズ初見の人とは絶対違う楽しみ方ができました。
そして今回の主人公も!方舟の主人公『柊一』を思い起こさせる人物で!!
もしかしたら、僕は未だに運命的な何事かに憧れているのかもしれない。
という独白から、期待がつのりましたね。見捨てないエンドの。
そしてラストですよ。もう本当にすごい……。
方舟・十戒を経た麻衣さんがたどり着いた先を読めて大満足です。
まとめ&感想
小説『楽園』ネタバレ解説|犯人・トリック・「十戒」とのつながりについてをまとめると……
ということでした。
犯罪者が集まるコミュニティなのに、麻衣さんしか殺人しなかった……
続編は展開的に難しそうですが、続いてくれたらめちゃくちゃ嬉しいです。
絶対おすすめできる作品でした。まだ読んでない人はぜひ!▼
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