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『架空犯』ネタバレあらすじ相関図&感想。白鳥とコウモリの続編!

『架空犯』ネタバレあらすじ相関図&感想。白鳥とコウモリの続編! 小説・実用書

東野圭吾さんの小説架空犯かくうはん読了しました!

457ページのどっしりした警察小説。読了まで土日含み3日かかりました。
前作『白鳥とコウモリ』読んでないですが、全然問題なしです。

kindle等電子書籍は出ていないので、紙で買いました。

この記事では相関図入りネタバレあらすじと、わかりにくいところ考察&解説読後の感想をまとめています。

都議会議員夫妻が殺された事件。鍵は40年前の青春に…?

ネタバレあらすじ(相関図入り・結末まで)

『架空犯』の相関図入りあらすじです。犯人などネタバレが強い部分は折りたたんでいます。

殺人事件の容疑者は警察官?!

燃えた豪邸

都議会議員・藤堂とその妻・江利子の遺体が屋敷から発見された。

現場には無理心中に見せかけた痕跡が残されている。

殺人か?

かんどり捜査班に配属された刑事・五代ごだいは、生活安全課の山尾と組まされ、事件を追う。

事件関係者の登場人物相関図。
・自殺の偽装工作をされ殺害+放火されたのが、都議会議員の藤堂康幸65歳&妻で元女優「双葉江利子」でもある江利子。
・江利子の関係者として、支援していた児童養護施設「春の実学園」や、友人の本庄雅美、デパートの外商・今西美咲などがいる。今西は本庄による紹介。
・夫妻の娘として榎並香織がおり、彼女は妊婦である。
・この事件のかん取り捜査(人間関係調査)を行うことになったのが、主人公・五代と生活安全課の山尾。二人はペアを組んで動くことになった。

そんな中「夫婦の悪行を暴露する」と脅し、金を要求してきた犯人。

さらに現場から持ち去られたタブレットの位置情報は、まさかの警察署でーー?

五代と一緒に動いていた刑事・山尾が容疑者として浮上する。

高校時代のドロドロ相関図

40年前の高校校舎

藤堂夫婦が出会ったのは高校時代。

そして山尾もまた、江利子の同級生だった。

調査の末、40年前のドロドロの人間関係が発覚する。

教師であり山岳部顧問の藤堂と、学生である江利子はつきあっていた。江利子は藤堂が本気で好きだった。
そして絵利子は永間和彦(山岳部)ともつきあっていた。しかしこれは、先生との交際のカモフラ―ジュである。そして永間は山尾(山岳部)の友人だった。
山尾はある日、藤堂と利江子がラブホから出てくる二股現場を目撃してしまう。江利子はその口止めの為、山尾と口止めの一夜を過ごした。

二か月ほどで別れた永間と江利子。

卒業後も失恋をひきずる永間に、山尾は江利子が二股をかけていたことを伝えてしまった。

永間は逆上して藤堂の左腕を刺し……その後、自殺した。

藤堂と山尾は、永間の自殺理由について黙秘することを決めた。

ここで一度は別れた藤堂と江利子。

再会したのも本当に偶然だったらしい。

しかし江利子は、別れた直後に出産していたことを隠していたーー……

江利子の娘は○○

児童養護施設

江利子は高校卒業後、娘を出産して養子に出していた。

その娘こそ、一時期「春の実学園」に身を寄せていたデパート外商・今西美咲だ。

藤堂に頼まれ美咲の素性を調べた山尾は、

「江利子の口止めとして一度だけ関係を持った、あの夜の子どもではないか?」

つまり自分の娘ではないか?と考えた。

(※時期的に父親の可能性があるのは、藤堂と山尾の二人)

しかし藤堂にはそのことは隠して報告した。

相談のはずが恨みへ

ティファニーのティーカップ二客

結婚したが離婚し、女手一人で娘を育てていた美咲。

しかしその娘「真奈美」は不良グループと付き合い、大麻の売買にまで手を染めていた。

娘の犯罪に気づいた美咲は、実の母・江利子に助けを求めた。

ところが江利子は訪れた美咲の話を聞き……

美咲の子育て努力を否定。「選んだ男の遺伝子が悪い」と言い出した。

高校生で妊娠し子どもを手放した人間に、そんなことを言われる筋合いがあるだろうか?

しかももう一人の娘の出生前診断について、「旦那の遺伝子が違うから」と笑いながら話している。

美咲は江利子の笑みを消したい一心で、スマホのストラップを江利子の首に巻き付け、絞めた。

そして死亡も確認しないまま、動揺して家を飛び出した。

架空犯計画

レターパックにタブレットを入れた画像

帰宅した藤堂は妻の遺体を発見し、防犯カメラを見て犯人を知った。

そして、自分の娘(だと信じている)美咲を守ることを決意。

レターパックで架空犯計画を山尾に託し

偽装工作として自殺&放火した。

山尾は美咲に通常通り生活するようメールを送り、自ら犯人を演じて警察を翻弄する。

【結末】父親は不明のままで

手錠

五代たち警察は真相へたどり着き、美咲は逮捕された。

美咲はDNA鑑定(藤堂と山尾、どちらと血がつながっているのかの確認)を望まなかった。

それを聞いた山尾は「まだ片思いでいられる」と安堵する。

分かりにくい部分の解説&考察

作中ちょっと分かりにくかった部分の解説または考察です。

【考察】今西美咲の父親は誰?

DNA

結局明らかにならなかった今西美咲の父親。

あくまで予想になりますが……

  • 高校卒業後の三月中に性行為した相手(の可能性が高い)
  • 山尾とは口止めとして一度だけ関係を持った
  • 藤堂とは恋人として週一くらいで会っていたと思われる
  • 江利子は藤堂に、この娘の存在を明かさなかった

という部分から考えると……山尾のほうが可能性高い気がしますね。

たとえ藤堂の子だとしても、政治家ですし引き取ることは難しいと思うんですよ。

「自分の子だ」と発言したら「高校生の教え子を孕ませていた」とスキャンダルになり、
「養子縁組だ」と発言してもまぁ…江利子の隠し子などいろいろ言われるでしょう。

だから「夫に迷惑かけないため言わなかった」もあり得ますが……

でも夫婦間で真実を留めておくという選択肢もあるわけで。

それでも言わなかったなら、やっぱり山尾なのかなぁという気がします。

ラストの『片思い』は誰に対して?

片思いイメージ

山尾の『片思い』……これは「美咲に対しての、父親としての愛情」のことかなと思いました。

「自分は独身だが、実は血のつながった娘も孫もいて、守ってやるべき。守ってやりたい」という感情。

もし藤堂が父親だと判明すれば、これは妄想となるわけですから……

そりゃ真実を不明のままにしておくほうが幸せかもしれませんね。

これから山尾・美咲の罪状がどうなるかはわかりませんが、この先も山尾は美咲の援助をするんだろうな、と想像します。

ティーカップから何が分かった?

食洗器に入った、二客のティファニーティーカップ

事件解決のカギとなる「二組のティーカップ」。

  • ソーサー付きの来客用(ティファニー・8万円弱)
  • 食洗器不可なのに、食洗器に入っていた
  • 山尾はティーカップの存在自体知らない

ここから予想できるのは二つ。

  • 江利子の死後、山尾以外の誰かが来客が来たことを隠そうとした
  • 犯人は江利子を殺した後、自分という来客があったことを隠そうとした

そして犯人が「ティファニーは食洗器不可と知っていた美咲」と判明した時点で、前者が確定しました。

つまりこのティーカップがあったことで、「藤堂が美咲の来訪を隠そうとした」と想像できてしまうのです。

架空犯というタイトルの意味は?

幽霊のような存在

殺人犯を庇う為に藤堂が作り上げた架空の犯人ーー…それが「架空犯」というタイトルの意味でした。

ただ架空…「想像で作り上げたもの」だと、実直に事実を調べていく警察の目を欺けず、真犯人が判明してしまいましたね。

江利子は赤子をなぜ生んだのか?

二つの選択肢

40年前というと「未婚での妊娠」に今より偏見が強かったようですが、江利子はなぜ出産を選んだのか?

まぁここも納得できる理由は描かれていました。

  • シンプルに中絶(一つの命を終わらせること)に拒否感があった。
  • 母性本能から。
  • 藤堂との子かもしれないから「育てられなくても生みたい」と考えた。
  • 子供が好きだったので出産したときは「育てたい」と考えていた。
    (養父母に養子縁組を進められて無理だったけど、女優の道も藤堂との再会予定もなかったため「いつか」というのもありえた)

【感想レビュー】時代による価値観の違いを感じる

喫煙女性

40年前の青春模様、現代の価値観と違うので共感するのが難しい……

江利子(高3)はタバコ吸ってるし。教師が生徒に手を出してるし。
けど山尾はそれを知って「魅力的」とか「そういうこともある」と考えるんですよね。

え!?そこは通報やろ!

…著者の東野圭吾さんが被害者と同じくらいの年齢なので、昔はこれがリアルなんでしょうけども。

まぁそれはさておき。

犯人当てというよりかは、「青春時代から40年かけてやってきた選択・考え方が呼んだ結果」を味わうのが醍醐味の小説ですね。江利子のことですけど。

カモフラージュで二股あかんて。山尾も流されてホテル行くんじゃありません友達の元カノでしょ!

で、捨てていないほうの娘が親に従順なタイプだったから、子育ての苦労をろくに知らなかったのでしょう。

遺伝子がどうの言いながら、自分が生んだ娘の父親は明かさない女。
その末路としてはまぁ、納得もある結末でした。

でもやっぱ登場人物が好きじゃないですね。

「犯人を庇う」という展開は同じ著者の『容疑者Xの献身』を思い起こさせましたが、あちらのほうが男女ともに芯がある感じでよい。

エンタメ性あるミステリを期待するなら、一個前に読んだ『楽園』のほうがおすすめでした。

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『架空犯』の作品情報(シリーズ・表紙・舞台・メディア化)

項目内容
著者東野圭吾
発売日2024年11月1日
ページ数460ページ(単行本)
ジャンル警察小説・ミステリー・サスペンス
シリーズ前作の『白鳥とコウモリ』に続き、シリーズ二作目。
だが、内容的にはそこまで関連深くない。(前作の余韻・伏線等なし)
著者が亡くなったため、架空犯以降続編は無し。
メディア化映画化・メディア化・ドラマ化発表なし。
※前作『白鳥とコウモリ』は2026年9月実写映画化。
舞台はどこ?東京都昭島あきしま市が青春時代のモデル地だが、「都立昭島高校」は実在しない。
表紙は?表紙に写っている建物は、大阪府大阪市北区兎我野町にある実在のラブホテル「ホテルプリンス」。現在も営業。
作品の舞台そのものではないが、江利子と藤堂が出てきたモーテルのイメージと思われる。

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