この記事では『犬神家の一族』で連続殺人を起こした犯人についてネタバレ解説!
- 若林はなぜ殺された?
- 真犯人は誰で何人殺した?
- それぞれの殺害動機は?
- トリック(真相が分かりにくくなった仕掛け)は?
- 最後はどうなった?(逮捕・死亡)
を、原作小説から紐解いていきます。
『犬神家の一族』の真犯人は松子

まずは結論から!
連続殺人の犯人は、犬神佐兵衛の長女・松子です。
| 被害者 | 犯人 | 殺害方法 |
|---|---|---|
| 若林 | 松子 | 毒入り煙草 |
| 佐武 | 松子 | 短刀のようなもの |
| 佐智 | 松子 | 紐のようなもの |
| 青沼静馬 | 松子 | 帯締め |
最初は松子の息子・スケキヨが「自分が殺した」と自首しましたが……
それは母を庇う嘘。
真犯人は松子であり、彼女は計4名を殺害しました。
ですが……
佐武の首を切り落として菊人形に挿げ替えたり、佐智死体に琴糸を巻き付けたりしたのは、
松子ではありません。
↓
佐清・静馬が死体を移動・工作
殺した人と、隠蔽工作した人が違う。(しかも協力関係ではない)
これが『犬神家の一族』の事件をややこしくしています。
松子はなぜ殺した?犯人の動機

松子の動機は一貫して、一人息子・佐清に左兵衛の遺産を相続させることです。
最後の静馬の場合だけは、「息子に成り代わっていたことへの怒り」も追加されたかもしれませんが……
兎にも角にも「息子の将来の為に」という深すぎる愛情と、一度決めたら実行する松子の強さが連続殺人という結果になりました。
ちなみに、犬神家の遺言状はかなり複雑なので別記事にまとめていますが……
→【関連記事:『犬神家の一族』斧・琴・菊とは?「よきこときく」の意味・遺言状を解説】
超簡単にまとめると
- 「珠世は佐清・佐武・佐智の誰かと結婚し、選ばれた人物が遺産を継げる」→佐武・佐智を殺害しよう
- 「遺産トラブルが起こると静馬の遺産取り分が増える」「息子に成り代わっていた恨み」→静馬を殺害しよう
ということです。
若林はなぜ殺された?犯人松子は「忘れていた」

ちなみに1人目に殺害された、古館法律事務所の若林……
(金田一耕助を犬神家へ呼んだ人物)
彼は松子に脅されて先に遺言書を見せた後、口封じとして殺されています。
遺言書を読んだ後、珠世を殺害するために寝室にマムシを放り込んだり、ボートに穴を開けたりしだした松子。
若林はそれに感づいたから、殺されたわけです。
松子に貰った毒入り煙草が死因でした。
時限爆弾的な殺人仕込みは、同シリーズの『八つ墓村』を思い起こさせますね。
→【関連記事:『八つ墓村』原作小説の相関図入りネタバレ!あらすじを結末まで解説】
つまり「若林が金田一に何もかも話す直前に死んだ」というのはまぐれ。
しかも松子は若林殺しを「留守中(スケキヨを迎えに行っていた時)に起こった事件なのですっかり忘れていた」と証言。
まったく怖い女です。
読む時間がなくて溜まってませんか?
約2時間の無料Zoom体験会が開催中。
息子・偽息子に隠蔽工作をされた理由は?

遺言書の内容や、警察・探偵の出入りにより皆警戒していたであろう犬神家。
その中で松子が一人で三人も殺害できてしまったのは、スケキヨ・静馬が隠蔽工作を自主的に図ったからです。
通常殺害シーンを見られたら通報されて逮捕が普通。
目撃した人物が隠蔽工作をしてくれるなど……悪運が強いとしか言いようがありません。
そして「残虐なほど女にうたがいはかからぬ」という静馬の考えによる目くらましは、かなりうまくいったわけです。
しかしスケキヨが実母を庇うのは分かりますが、静馬が庇うのはどうしてなのか?
- 静馬はスケキヨに成り代わっており、今後も永久的に成り代わることを望んでいた。→母親が殺人犯は良くない
- 殺人を斧琴菊に見立てることで、母を虐めた過去のある松子・竹子・梅子を怯えさせたかった
ということでしょう。
→【関連記事:『犬神家の一族』斧・琴・菊とは?「よきこときく」の意味・遺言状を解説】
松子の最後は?犯人発覚から死亡まで

松子が犯人だとバレたのは、佐智殺害の時に人差し指を負傷してしまったからでした。
(ちなみに八つ墓村でも「指」で犯人がバレました……【八つ墓村】犯人『森美也子』の動機は?最後やトリックもネタバレ解説)
探偵・金田一は松子の琴の師匠の反応からそれに気づき、アリバイを崩していきました。
指摘されるとあっさりと連続殺人を認めた松子。
その前に息子(スケキヨ)が「殺人は自分がやった」と母を庇いましたが……
松子の殺人動機はすべて「息子の為」。庇ってほしいはずがありません。
そして「息子に遺産を継がせる」という望みも叶い、思い残すこともありません。
松子は罪滅ぼしとして、いずれ生まれる小夜子の子供に遺産の半分を分けてあげるよう、珠世に頼み……

若林を殺した毒入りタバコで自殺しました。
『犬神家の一族』犯人・動機・トリックまとめ
最後に、事件の真相を簡単に整理します。
- 真犯人は犬神松子
- 殺害したのは若林・佐武・佐智・青沼静馬の4人
- 主な動機は息子・佐清に遺産を継がせるため
- 「斧・琴・菊」の見立てを行ったのは佐清と静馬
- 最後は毒入り煙草で自殺
この事件をややこしくしたのは、
「殺した人物」と「死体に細工した人物」が違ったこと。
松子が4人を殺し、佐清と静馬がそれぞれの思惑から事件をさらに複雑にしていました。
そして松子をそこまで動かしたのは、一人息子・佐清への凄まじい愛情。
単なる遺産目当ての殺人ではないところが、『犬神家の一族』の恐ろしくも悲しいところですね。
私が読んだときは、
Kindle Unlimitedの対象でした!
※Amazon Kindle Unlimitedの対象作品は
時期によって変更される場合があります。


コメント