『八つ墓村』に登場する里村典子。
主人公・辰弥から「典ちゃん」と呼ばれるようになる彼女は、本作のまごうことなきヒロインです。
(映画等では原作改変で美也子にヒロインの座を奪われ、存在が空気になっていることもあります……)
「醜い」という第一印象から一転、恋でかわいく美しくなる女。
この記事では里村典子について
- どんな人物?
- 辰弥との恋模様(両想い▶︎地下の中で愛を育む▶︎結婚・妊娠へ)
- 彼女がいなかったら辰弥は生きていない件
などを原作小説からネタバレ解説していきます。
辰弥のいとこ「里村典子」とは?
里村典子は、主人公『辰弥』の「父方のいとこ」にあたります。

だから典子は辰弥のことを「お兄さま」と呼んでいました。
しかし後々、要蔵は辰弥の父ではないと発覚。
実際には、典子と辰弥の間に血縁関係はなかったと判明します。
「醜い女」から「かわいい女」へ

辰弥は、初めて典子を見た瞬間「醜い女」という印象を持ちました。
- 成熟しそこなったという感じ
- ひとめで月足らずとわかるようなひ弱さ
これには典子の生まれが関係していました。
典子の母親は要蔵の事件のショックにより八か月で出産し、その後死亡したのです。
早産で生まれた人は、大人になっても小柄なことがあります。
ところが典子は辰弥に一目ぼれをし、一気に成熟。
年齢(26歳)に身体が追い付いてきました。
これは辰弥から見てだけではなく、第三者から見てもわかるもので、
「新家のお嬢様(典子)のきれいにおなりあそばしたこと」
と驚かれたり……
同じく辰弥に恋をする『春代』の嫉妬を呼び起こすことも。
つまり典子は最初から華やかな美人として登場する美也子と反対に、
恋をすることで次第にかわいく、魅力を増すヒロインなのです。
無邪気な恋心を直球で告げる女

対して交流もない段階で、辰弥に恋をした典子。
(まぁ、戦後の田舎に良い男が来たらそういうものかもしれません)
そしてその恋心を、「グリムかアンデルセンのおとぎ話に出てくる少女のように」恥じらうことなく告げるのが典子でした。
- 「その代わりお兄さま、毎晩来てくださる?」
- 出会いがしら、辰弥の胸にすがりつく
- 辰弥を探して夜の洞窟を探索する
- 会えなくても毎晩洞窟で待ち続ける
そしてこの一途な言動が、辰弥の心を奪う結末につながります。
辰弥が典子に惹かれていく

辰弥は典子から好意を告白された時点では、
「典子に対する愛情など微塵もない」
と考えています。
典子 →→→ 辰弥
しかし典子の無邪気な話は、八つ墓村に来て張りつめていた神経を解してくれるため、癒しだとは思っていました。
その認識が変わるのは、辰弥の置かれた状況が変わったからです。
殺人犯だと疑われ、村人から逃げるために洞窟で身を潜ませる状況…..
今まで心強い味方だった美也子も、急に素っ気ない態度を取って様子を見に来てすらくれない…..
そんな状況下で何度も何度も会いに来てくれたのが典子でした。
典子 ⇔ 辰弥も少しずつ好きになる
美也子に見捨てられたという想いが強くなるほど、見捨てない典子への執着が増していく……と言ってもよいかもしれません。
そしてそこからさらに惚れ込むのは、典子が窮地において驚くべき賢さと前向きさを持っていたからです。
典子のおかげで生き延び大金持ちに

典子は身を隠す辰弥に会いに来るだけではなく
- 見張りをかいくぐり、辰弥へ食事を運ぶ
- 村や村人の状況を観察・分析し、辰弥に伝える
- 長期戦でも前向きで、肝の据わったところを見せる
- 辰弥のついでに殺すと言われても引かず、追手には目つぶしを浴びせる
と、たくましく支えてくれます。
もし典子がいなければ、辰弥は暴動が起こっているタイミングで外に出て、殺されていたかもしれません。
或いは先行きが見えずメンタルがやられたか、追手に捕らえられたか……
つまり典子は、外の世界の情報を持ってきてくれる救世主。
それだけでなく、辰弥を大金持ちにしてくれる存在でした。
自分たちが死ぬかもしれない状況で「見つけた大判(財宝)を隠す」という冷静さを見せる典子。
これにより「財宝の第一発見者」となった辰弥は、生涯金に困らないほどの資産を得ました。
これ以上頼もしい伴侶はいませんね!
洞窟の中で愛し合う→結婚・妊娠へ

暴動に収拾がつきそうだという吉報を聞き、典子を洞窟内で押し倒した辰弥。
※ちなみに1977年版の映画では、このエピソードすら美也子に奪われました。
のちにこの時、典子が妊娠したことが発覚します。
救出され真犯人も捕まった後、辰弥は「明るい話題」として典子との結婚を発表。
新生活は排他的な八つ墓村ではなく、神戸で行う予定です。
『八つ墓村』強かわいいヒロイン典子まとめ
- 名前は里村典子
- 無邪気で天真爛漫
- 辰弥に恋をして次第に美しくなる
- 一途で大胆で頭が回る
- 最後は辰弥と結婚
- 妊娠し、二人は神戸で新生活へ
辰弥が典子に惹かれていく過程が納得しかなくて、とても良いです。
美也子みたいに最初から魅力的なのも、春子みたいに分かりにくい嫉妬を出してくるのも好きですが、やはり比べてもヒロインは典子だと思います。
時々呆気にとられる賢さなど典子の魅力は原作小説でしか伝わってこないものがあるので、ぜひ確かめてみてくださいね。
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