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『ちいちゃんのかげおくり』は本当の話?乾飯(ほしいい)や公園モデルも解説

『ちいちゃんのかげおくり』は本当の話?乾飯(ほしいい)や公園モデルも解説 古典名著

『ちいちゃんのかげおくり』を読んで、どこまで実話なのか気になった方も多いのではないでしょうか?

結論から言うとこの作品は、現実にあったことと、作者・あまんきみこさんの創作が混ざった話です。

この記事では

  • どこまでがモデルがある本当の話で、どこからが創作なのか
  • 作中に出てきた「ちいちゃん」や「公園」は実在するの?
  • 作中に出てきた「ほしいい」「防空壕」ってどんなもの?

ということを、イラスト付きで分かりやすく解説していきます!

『ちいちゃんのかげおくり』は本当の話?

『ちいちゃんのかげおくり』はどの部分が本当で、どの部分が創作なのか?解説していきます。

場所・舞台となる戦争は?

空襲を受ける町

この作品は太平洋戦争の末期(1945年ごろ)がモデルであると推測できます。

以下が理由です。

  • 空襲警報………日本本土への空襲が本格化したのは1944年後半からです。特に多くの人が何度も空襲警報を聞くようになったのは1945年。
  • 空襲による火事ですっかり変わった町………日本各地の都市が焼け野原になるほどの大規模空襲は、1945年に集中しています。

実際に作者・あまんきみこさんも子供時代に太平洋戦争を経験しています。
1945年の終戦時は14歳でした。

だからこそ、作者自身が見聞きした戦争の体験をモデルにして、描かれたのではないでしょうか?

しかし作中に「太平洋戦争」という名前は登場せず、場所(地名)が明言されていないというのはポイントです。

作者はあえて舞台・場所を特定させず「あまたある戦争すべての悲惨さ」を描きたかったのかもしれません。

過ぎたものとしてではなく、これからも起こりえる「戦争」というもののイメージとして。

ちいちゃんたちのモデルは?

亡くなった子供をイメージさせるイラスト

ちいちゃんとおにいちゃんのモデルとして、作者はあとがきでこのようなことを述べています。

ちいちゃんは、一人ではありません。たくさんのちいちゃん、たくさんのおにいちゃんが、この世界にいました。
いえ、いまでもいるのです。

つまりちいちゃんは、一人の人物がモデルではなく……

「戦争で亡くなったたくさんの子供たち」がちいちゃんなのです。

家族と離れ離れになって一人で死んでしまった子がちいちゃんで、

実際にはどのような死に方をしたかすらわからない子供がおにいちゃんです。

最後に登場する公園はどこ?実在する?

どこにでもある公園

物語の最後に、

ちいちゃんがひとりでかげおくりをしたところは、ちいさなこうえんになっています

という一文が登場します。

「モデルの場所があるのでは?」と思ってしまうような一文ですが、作者は実在するとは明言していません。

個人的な考察ですが、これは「戦争があったのはあなたの身近な場所」と思わせるための描写ではないでしょうか?

この本を読んだ子供に対し、「昔の話のように感じるけど、あなたの家の近くの公園であったこともしれないよ」「だからちいちゃんが亡くなったのは、あなたの街かもしれないんだよ」という……

親近感を狙ったものではないかな?と思うのです。

そして近所の公園に行き、昔のちいちゃんのように笑い声をあげている子供に気づけば……

終わったことではなく、まだ「繰り返されることがあるかもしれない」のだと。

「だから戦争は忘れてはいけないことなのだ」と、想像が及ぶかもしれません。

【解説】乾飯(ほしいい)とは?

物語の後半で、家族とはぐれたちいちゃんは、「雑のう」の中に入っていた「乾飯(ほしいい)」を少しずつ食べながら過ごします。

雑のうのイラスト。
戦時中に使われていた、非常用持ち出し袋。布製。
乾飯(ほしいい)イラスト。
水やお湯を加えると柔らかくなる。
しかし水が少ないときは、ちいちゃんのようにかじって食べていた。

乾飯ほしいいとは、米を蒸して乾燥したものです。

非常食として有名な「乾パン」のご飯バージョンと言ってよいでしょう。

  • 水分をほとんど含まないため、ご飯よりはるかに腐りにくい
  • 乾燥しているため軽く、持ち運びしやすい

たしかに、軍事用携行食として良いですね。

しかしあくまで炭水化物。

以下も摂取できないと、人間は生きていけません。

水分夏場なら1日取らないのも危険
ビタミンB1数週間~数か月不足すると脚気(かっけ)という病気が起こる
ビタミンC1~3か月ほどで欠乏症の危険

【解説】壊れかかった防空壕とは?

作中でちいちゃんは、家族とはぐれたあと「壊れかかった防空壕」の中で眠っています。

防空壕(ぼうくうごう)とは、空襲による爆弾の破片や爆風、火災から身を守るための避難場所です。

地面を掘って作られたものや、山の斜面を利用したものなどがありました。
(土により衝撃が弱まるため)

イメージ▼

地下に掘られた防空壕のイラスト

「壊れかかった」という言葉と、朝の光で目を覚ます描写から推測すると……

ちいちゃんが避難した防空壕は、入口や壁の一部が崩れ、日光が差し込む状態だったのかもしれません。

ではなぜ壊れかかっていたのか?

  • 空襲で近くに爆弾が落ち、爆風でボロボロになってしまった
  • 土を掘り木で補強しただけの簡易的なものだったため、風雨により腐食していた

などが考えられます。

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