野宮有の小説『殺し屋の出世術』読了しました。
待望の『殺し屋の営業術』の続編。半年後が舞台でした。
今回どっぷりヤクザの世界で、鳥井が何をやろうとしているのか?を考えながら読むのが楽しいです。
以下、ネタバレあらすじまとめ(結末まで)、登場人物相関図、感想です。
【相関図】登場人物まとめ


殺し屋の出世術ネタバレあらすじ
『殺し屋の出世術』のあらすじ要約です。
ネタバレが強い部分は折りたたんでいます。
出世レース開幕

殺人請負会社『極東コンサルティング』の営業・鳥井は、
『巣ヶ谷一家』の鷹見に連行された。
そして組長・巣ヶ谷から、『極東コンサルティング』の次期社長の座をかけ、鷹見と一か月間競い合うよう命じられる。
出世に興味はない。
しかし拒めば、部下もろとも命はない。
こうして鳥井は、理不尽な出世レースに挑むことになる。
浦乃組の関係図

ズブズブな関係の巣ヶ谷と鷹見。
それでも『勝負で社長を決める』という回りくどい真似をするのは、『極東コンサルティング』が現会長が築いた会社だからだ。
他の幹部を納得させるために小芝居が必要。
将来的には、二人で浦乃組を乗っ取る計画まで描いている。
鷹見は鳥井たちが周防商会から「顧客リスト」を奪ったと知り、さらに展開を加速させる。
参考:『殺し屋の営業術』ネタバレあらすじ&登場人物解説。映画化希望の面白さ
一方鳥井は、巣ヶ谷と不仲だと噂の『幹部・五十嵐』に接触。
社長人事への異議申し立てを依頼し、裏から勝負を動かそうとする。
裏切りの発覚

しかし「五十嵐・巣ヶ谷が不仲」という噂は嘘の誘導だった。
鳥井は無理やり現会長の通夜に連れていかれた。
場違いな格好のまま、幹部たちの前でつるし上げられる鳥井。
巣ヶ谷は鳥井を解雇し、鷹見を極東コンサルティングの次期社長に推薦すると宣言した。
鳥井のここ数週間の行動が、すべて筒抜けになっている……
情報を流していたのは、鳥井の部下である籠原姫香だった。
姫香は巣ヶ谷の血がつながらない娘であり、
巣ヶ谷に精神的に支配されていた。
『浦乃組』の壊滅

次に鷹見たちは、鳥井から『顧客リスト』を回収しようとした。
しかし鳥井宅の金庫には何も入っておらず……
潜んでいた鳥井の部下に襲われ、鷹見は逃げた。
この知らせを受けて、巣ヶ谷は娘の寝返りを疑った。
そして姫香も、鳥井たちに情報を制限されていたと気づいた。
自分が作成したジャミング装置(通信妨害装置)が使われていたのだと。
さらに、巣ヶ谷のもとへ五十嵐から連絡が入る。
浦乃組本部に、正体不明の集団がカチコミをかけてきたらしい。
若頭・橋爪を含む複数の幹部が死亡。その後五十嵐も死亡。
『浦乃組』は壊滅に向かっていた。
鳥井の本当の作戦

鳥井に生きていた(生かされていた)鴎木美紅が電話をかけてきた。
参考:『殺し屋の営業術』ネタバレあらすじ&登場人物解説。映画化希望の面白さ
美紅は鳥井が4か月前から開いていた「裏稼業専門営業セミナー」を、「カルトマーケティング」と評する。
鳥井は組織の下っ端を集め、自分に忠実な「セールスパーソン」を育てていた。
高飛び前の美紅は、鷹見に鳥井の位置情報をリーク。
鳥井は鷹見に捕らえられ、スクラップ場に連れていかれた。
しかしそこで待っていたのは『周防商会』の兵隊だった。
鳥井は『周防商会』に転職するために、『裏乃組』を『周防商会』に売っていた。
顧客リストを返却し、浦乃組の弱体化と、育成したセールスパーソンの提供を持ちかけてーー……。
社長になるよりも、一人のプレーヤーとして働くために。
【結末】鷹見と巣ヶ谷の最後と寝返り

鷹見が鳥井を撃った瞬間、姫香が遠隔操作する無人車が割って入る。
姫香は、実父を殺したのが巣ヶ谷だと知り、強酸スプレーとスタンガンで巣ヶ谷を殺害していた。
そして巣ヶ谷の用心棒『翼』も、耳津から「鷹見から助けられた過去は仕組みだったのでは?」とゆすぶられ……
鷹見を地面へたたき落とす。鷹見は無人車にひかれ、死亡した。
鳥井は二人の寝返った女性たちに、誕生日祝いを告げる。
鳥井により、じきに一つの犯罪組織が消える。
その中で東南アジアに飛んだ美紅により、また次の物語が動き始めるーー……
感想 今作ちょっと理解が難しいところも

がっつり暴力団内部の話だった今作。だからなのかちょっと内容が難しかったです。
鷹見&巣ヶ谷も鳥井もやっていることが複雑で、何を狙った行動であるのか、一週目でしっかり理解はできませんでしたね。専門用語もでてくるし。
あらすじまとめながらやっと「そういうことか!」と。
そしてストーリーですが、鳥井も死にかけたり結構ギリギリの攻防戦な印象。
籠原のほうは精神支配されていたのでともかく、翼に裏切られた鷹見は若干不憫でした。
急場で盾にして逃げようとしたのは事実だけれど、昔助けた件についてはどうだったかわからないし……
でもやっぱり、誕生日お祝いするようなマメな男のほうが「大切にされている」という実感は得られるのでしょうね。うん。
参考文献が最後に載っているのですが、笑ってしまいましたよ。
帯の『良識ある人以外、絶対に読まないでください。』を破っている(笑)
本当の仲間として女性二人が追加され、周防商会に転職、美紅さんも生きていて何かやろうとしている……
絶対次作もありそうな流れでうれしいですね!次も読みたいと思います。

コメント