- 自分は内向型だから人前に立つ仕事は向いていない
- どうしても外向型な人には勝てない
仕事に対し、そのように考えたことはありませんか?
しかしジル・チャン著作『静かな人の戦略書』では
向いている・向いていないと、やりやすい(外向型)・やりにくい(内向型)は別だと述べています。
この記事では、本書が述べている『内向型でありながら、社会化が進んだ世界で勝ち抜く方法』を要約します。
目次
著者 ジル・チャンさんとは?
台湾で翻訳された私の本を読んでくれていました。
『静かな人の戦略書』を書いた台湾のジル チャンさんと激論。
英語で話しているのに東アジア的な価値観でどこか一致する。
台湾向けのコンテンツもいずれ出したい。 pic.twitter.com/STemueQBmf
— 竹下隆一郎 Ryan Takeshita-Tokyo,Japan (@ryuichirot) June 1, 2023
ジル・チャンさんは「国際フィランソロピーアドバイザー」をしている女性です。
フィランソロピーは慈善事業のこと。
寄付や社会貢献をしたい人に対して、資金提供方法のアドバイスや慈善活動の効果をアップさせる方法を教えています。
内向型でありながら、15年以上アメリカ等で活躍し、200以上のスピーチ経験があります。
ジル・チャンさんの公式サイト➡ジル・チャン (injill.com)
Xアカウント➡Jill Chang(@inJillChang)さん / X (twitter.com)
『静かな人の戦略書』の要約
以下、個人的に重要だと感じた箇所の要約になります。
社交は戦略がすべて
大人数が集まる場面は、内向型にとってつらい空間です。
そんな中に戦略を立てずに飛び込むのは悪手。
本書ではジル・チャンさんが身に着けた戦術を、具体的に教えくれます。
まずは自分にとって心地よいリズムを見つけよう。
誰かと目が合ったら、笑顔を浮かべ、明るく簡単な挨拶を交わして、会場に溶けこんでいこう。その場の雰囲気に徐々に慣れていけば、のっけからエネルギーを消耗しなくてすむ。
一つ一つを順序立てて教えてくれるから、イメトレがしやすいのもオススメどころです。
ちなみに「明るく簡単な挨拶」は「この集まりはどうやって知りましたか?」など。
あらかじめ準備しておくことも大切です!
できるところはエネルギーを節約するのも大事です。
ドン・ガボールは著書「内気な人が自信をもって話す方法(Talking with Confidence for the Painfully Shy)(未邦訳)のなかで、「最近読んだ本やおいしいレストラン、休暇中に起こった面白いできごとなど、気軽に話せる話題をいくつか用意しておく」ことを勧めている。
本書には他書からの引用も良いものばかりだと思います。
会話のタネをストックしてから社交に臨みましょう。
イベントに参加するなら目的を決める
「イベント」と聞くと身構えてしまう内向型。
憂鬱な気持ちを押し込んで参加するのなら、何も得られず帰ってくるのは馬鹿げていると思いませんか?
本書では「目的を果たしたら帰ってくる」ということを進めています。
「内向型起業家」の著者、ベス・ビューローは、イベントに参加するにあたっては、自分なりに目的を設定し、参加することでどんな経験を得られるのか、どんなスキルを磨けるのかも含めて、じっくりと考えるよう勧めている。
自分の専門分野の知識を深めたい、よい印象を与える握手のしかたを身につけたい、など。できるだけ具体的に設定する。
自分にとって必要なものを、冷静に分析してみて!
必要が無ければ見送るのもアリです。
WHYから始めよ!
社交をするのは「自分に興味を持ってほしいから(持ってもらう必要があるから)」です。
そんな時人は
私○○で○○をやっていまして~~実は珍しい○○な方法で~~~
などと説明しがちですが、
大事なのは「WHY」…「なぜそれをしているのか」だと本書は述べています。
「WHY」…行動に対する「想い」を話す様には、人間としての魅力が詰まります。
心をつかみに行くなら、「自分がなぜそれをしているのか」を話しましょう。
目の前の人の魅力を知りたいとき、自分から「なんでそれをしているの?」と聞いてみるのも良いですね!
仕事におけるコミュニケーションとは「理解させること」
仕事におけるコミュニケーションの目的は「理解させること」だと本書は述べています。
日常での「コミュニケーション」は意味のない雑談も大事って言うけど、仕事だとそれでいいようです。
これは内向型にとって朗報ではないでしょうか?
長々と会話せずともコミュニケーションは可能なのです。
大事なのは相手に理解してもらうために、自分の中で言語化しておくことです。
業務連絡で言葉を尽くせ
話すのが苦手なら、業務連絡(チャット・メール等)では可能な限り言葉を尽くして株をあげておくのも重要です。
その例えがこちら↓
「お客様に対してすみやかに回答し問題を解決したい、というみなさんのお気持ちはよく分かります。ただ、どちらの書類も修正するのに1時間ほどかかります。
退勤時間直前に提出されると、今日中には対応できません。
ですので、退勤前に完了させたい場合は正午までに提出してください」
文面だけでもそっけなさゼロ!
繊細な気遣いが感じられます♪
私自身も職場のグループチャットにて
”確認したところ○○になっていました。クレームにつながるので気を付けてください”
と連絡が来たことがありました。
これを見た私は「え?もしかして私が間違えたのか?」とヒヤッとしました。
雑な文章だと、グループ全員がモヤっとすることもあります。
文字上では相手がどれくらい怒っているのか、判別がつかないのも怖いところです。
そのことを考慮した上で、業務連絡では言葉を尽くし、必要なら絵文字も使っていきましょう!
オンライン会議の心得
皆で画面をじーーっと見て、時に気まずくなってしまうこともあるオンライン会議。
本書はそんな時用にもアドバイスを送っています。
- 待ち時間の為に話のネタを考えておく
- 奥の手「遅いですね。開始時間を分かっているかどうか、みんなに確認してみますね。では、またのちほど」
- 「資料」を前面に出す
- 議事録を進んでとる
超具体的!
画面上と言えど、ずっと目が合っているのは神経をすり減らします。
ならばストレスを減らす方向に動いていきましょう。
打てる戦略を打つことが大事です。
成功するには謙虚さが大事
ジル・チャンさんは、会議で遅刻した時のチームメンバーの言葉に感銘を受けたと述べています。
「私だって発言なんかしたくなかったけど、私たち、遅刻したでしょ?あのとき私が何も発言しなかったら、私たちは何ひとつ貢献しなかったのも同然じゃない」
会議で発言することが貢献。
私はこの言葉かなり盲点だったのですが、皆さんはどうでしょうか?
考えてみると
良い成果を上げる為に一つでも多く意見を言うことは間違いなく貢献であり、
そこに気付ける人は謙虚なのです。
「遅刻せずに参加するのが偉い」ではなく、本質を見よう。何のための会議なの?
謙虚な人の特徴は以下の3つ。
・自分の弱点や自分に欠けているものを知っている。
・個人の利益よりもチームの利益を優先する。
・常に勉強と練習を怠らない。
自分に足りない謙虚さを意識して行動していきましょう。
つらい経験は忘れるほうが良い
内向型の人は感受性が高く、それ故同じ出来事に対する刺激が外向型の人より多い傾向にあります。
つまり「つらい経験」をより重く感じてしまう…
しかし本書ではそのような経験について、こう述べています。
過去のものごとを覚えていれば、学んだ教訓を忘れずにいられる。
しかし、当時の記憶やその時の感情をいつまでも引きずって、つらい教訓の数々を胸に刻み続けたままでいるのは、長い目で見れば、健康的とは言えない。
先述した「謙虚さ」と食い違うのではないか?と思われるかもしれませんが
- 心身ともに健康で、失敗を忘れた状態
- 失敗を引きずった状態
どちらがより良いパフォーマンスを発揮できるのでしょうか?
忘れられるなら忘れたいよ……
確かにそう思う人もいるかもしれません。
しかしできる・できないに関わらず、まずは
「忘れることがベストなのだ」という認識を持つことが大切だと感じました。
つらい経験を思い出そうとしている自分に気づいたら、気を逸らしてみよう。
それは逃避ではなく健康になる努力なのです!
「自分にあった仕事」を考える4つの質問
「内向型だから」と諦めなくとも社会で活躍できる。
それが分かった上で仕事の幅を絞ることなく「自分にあった仕事」とは何か?を考えてみましょう。
本書では自分に投げかけて欲しい4つの質問が紹介されています。
仕事に悩んでいる人は是非やってみてください!
子供の頃の夢は?
子供の頃を思い出すことで手掛かりになることも。
人は別人にはなれないので、子供の頃に発揮していた特性というのは、大人になっても変わらないはずです。
「その仕事のどういうところに憧れていたのか?」
是非細かく分析してください。
どんな仕事に魅力を感じるか?
この質問は、職業名ではなくもっと抽象的かつ具体的なことを聞かれています。
- 人と関わらない仕事がしたい!
- 自分の能力で収入が変わる方がモチベがあがるなぁ…
- ○○な空間に身を置いて仕事をしたい
- ○○にかかわりたい!
どんなものに憧れる?本気で手に入れたいものは?
- この人に憧れる!こんな人になりたい!
- 名声が欲しい
- 自分だけの能力が欲しい…
など、これは「今の夢」とも言い換えられる部分です。
自分の中に眠っている「憧れ」という気持ちと向き合ってみましょう。
生まれつき才能に恵まれていることは?
生まれ持っての才能や、逆に苦手なことは誰しもあります。
その性質を上手く伸ばして仕事にできるのがベスト。
逆に向いていない仕事について四苦八苦することもあるので、把握しておきましょう。
親に聞いてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
『静かな人の戦略書』をまとめると、
- 著者、ジル・チャンさんは内向的でありながら世界でスピーチを200回以上こなしている。
- 社交は戦略がすべて。
イベント参加には「目的」を決めて参加し、自分を売り込むときは「なぜその行動をしているか(WHY)」を話す。 - 仕事におけるコミュニケーションとは「理解させること」。
- 業務連絡でも言葉を尽くそう。
- 成功には謙虚さが必要だが、つらい経験を引きずって不健康でいることはNG。
そんな経験は忘れよう。 - その上で自分にあった仕事を「子供の頃の夢」「自分の才能」「憧れること」から見つけ出そう。
ということでした。
高みを目指してやりがいある仕事をしよう!
要約ではまとめきれなかった部分もありますので、全編が気になった方は是非読んでみてください!
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