この記事では『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に登場する人物
『エヴァ・ストラット』をネタバレ解説。
- どういった人物なのか?(実績・権力・考え)
- 主人公・グレースとの関係は?
- 人類を救うために何を行ったのか?
をまとめています。
「人類の未来」だけを見据える、一本筋の通った女性です。
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エヴァ・ストラットはどんな人物?

まずはエヴァ・ストラットはどのような人物なのか、簡単に整理します。
・オランダ人
・元ESA(欧州宇宙機関)の長官
・現ペトロヴァ対策委員会(国際機関)のトップ
・ヘイル・メアリー号の建造責任者でもある
・世界中の政府・軍を動かせる権力を与えられている
(ヘイルメアリー号出立までの期限付き)
このまま放置していると、人類の半分が後19年で死ぬ……
これを阻止するための『ペトロヴァ対策委員会』の一番偉い人、というわけです。
ちなみに映画版のキャストを務めるのは
- サンドラ・ヒュラー(Sandra Hüller)
ドイツ出身の実力派女優です。
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どれくらい権力があるのか

ストラットは人類の危機にあたり
- アメリカ陸軍の飛行機をいつでも飛ばす
- 世界中の専門家を強制的に集める
- 国際的に「訴えられない権利」
という規格外の権力を与えられています。
問題の微生物『アストロファージ』研究のために、宇宙船「ヘイル・メアリー」は万全な状態で飛ばさなければならない。
そのために著作権がどうのと言っていられないし、監獄の中にいる者でも優秀なら使うべき。
そう考えられて、権力が付与されたのでしょう。
プロジェクト第一主義

ストラットはプロジェクト第一主義です。
交流のあったクルー二人が死んだ直後でも、「では代理は誰にするか?」と考えています。
これは人一倍人類滅亡に危機感を持っているため。
大学で歴史を専攻していたストラットは「19年で人類半数が死亡」は楽観的だと考えていました。
- 農地とそこを耕す人間を奪い合う戦争がおこる
- しかし戦争は農業を破壊する
もっと被害は深刻なものになる……
だからこそプロジェクトの仲間や自分が亡くなっても、地球の急激な寒冷化さえ防げればよいと割り切っています。
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グレースとの関係は?

元科学者の主人公・グレースが出した論文を、ストラットが読んで訪ねたことで始まった二人の関係。
二人の関係はプロジェクトパートナーとしては相性が良く、周囲からは
「グレースは最も信頼されている」「特別」「性的関係を結んでいるのでは?」
と邪推されるものでしたが……
実際は、完全に決別した状態で終了しました。
グレースはストラットを恨んでいます。
「くたばれストラット」が、グレースの正直な感情です。
グレースを騙して死の旅に送り出した

問題は、グレースが「人類を救うための最適解」を優先し、
グレースの意思を無視して死の旅に送り出したことでした。
ヘイル・メアリー出立9日前に、事故で科学担当クルーが予備含めて死亡。
人類の中で昏睡耐性を持つ者の中から、代理クルーを決めなければならない……
その最適解がグレースでした。
グレース博士、あなたはわたしの仕事の仕方を知っている。誰よりもよく知っている。わたしは〈ヘイル・メアリー〉に最大限のアドバンテージを与えてやりたいの。そしていまは、それがあなたなのよ
プロジェクトヘイルメアリー(下)より
しかしストラットの要請を「死にたくない」と拒否したグレース。
ストラットは完全に本人の意思無視して、ヘイルメアリー号にグレースを乗せました。
- 打ち上げ直前まで独房に入れる
- 遡って記憶を失う薬を打つ
- 鎮静剤で眠らせて宇宙船へ
ある意味人殺しと言えるような所業。
思い出したグレースが、復讐を検討するのも無理はない話です。
→グレースが選んだ結末は?あらすじネタバレ要約記事へ
ストラットの功績と未来は?

ストラットは人類を救うために最善を尽くしました。
- 南極を核爆発させ、メタン(温室効果ガス)を発生させる。これにより地球寒冷化を遅らせる
- プロジェクト・ヘイル・メアリーを成功させる(おそらくさせたと思われる)
結果だけ見れば、グレースを無理やり乗せたことはファインプレー。
モラルを無視して与えられた権力を躊躇なく使うことも、並の人間にできることではありません。
時に自分につっかかってきた人物も、主張に納得すれば強制的にプロジェクトの一員とする……
間違いなく人類を救う偉業を成し遂げた人物です。
しかしヘイル・へアリー号が旅立った後、
ストラットは監獄で生を終える可能性も高いのです。
許可を与えられてのことでしたが、やりすぎだと、権力乱用の罪で各国の政府から告訴されるかもしれない……
ストラットはこの未来についても受け入れつつ、人類のために行動していました。
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