イクサガミのデスゲーム『蠱毒』を面白くする一要素として、木偏(蠱毒運営側の監視者)の裏切りが挙げられます。
双葉の担当者『橡』や、甚六の担当者『椒』など、参加者に入れ込んで寝返る木偏たち……
この記事では『木偏』について解説。
- 木偏とは?彼らは何者なのか?
- 木偏一覧表
- 目立つ活躍を見せた木偏の正体
をまとめています。
ラストまでのネタバレが含まれますのでご注意ください。
目次
木偏の正体は?警保局の者たち

まずは木偏の正体、概要について簡単に解説します。
『木偏』というのは、蠱毒を主催した黒幕・川路が密かに作り上げた、蠱毒(こどく)の進行を裏で支える存在です。
途中で分かった木偏の総勢&人員振り分け▼
| 総勢 | 167名 |
| 東海道(前半戦)で死亡 | 15名 |
| 東京入りした参加者を担当 | 9名 |
| 駅逓局の監視 | 8名 |
| 内務省の動向監視 | 5名 |
| 東京中に散っている者 | 63名 |
| 槐付き | 36名 |
| 吉原で人質確保 | 31名 |
メンバーの中心は、もともと幕府側の忍びだった旧幕臣組(伊賀・甲賀・根来・二十五騎組など)の生き残り。
明治になって警保局(警視庁の前身)に取り立てられたけれど、その扱いに不満を覚える者たちです。
※尚、蟲毒計画を知って参加に反対した警保局の者は始末されています。
しかし本名を隠す必要性は分かりますが、なぜ「木偏の付く一文字名」がコードネームなのか?
これは木偏を統括するトップ・槐が「木っ端のように都合よく使い捨てられてきた当てつけ」ということで提案したためでした。
だからこそ、大警視・川路が取り立ててくれたことを感謝している木偏も数多く……
他にも「出世のため」「日本のため」など、それぞれの想いから賛同して蠱毒に参加しています。
木偏一覧

ではどのような名前の木偏がでてきて、それぞれその参加者を担当しており、どのような人物なのか?
一覧にしてまとめてみました。
| 槐 エンジュ | 本名:多羅尾千景。 警保局の権中警視。 川路に感謝しながら右腕を勤めている。 天龍寺での演説や、木偏の統括を担当。 ⇒詳しく(槐の記事へ) |
| 橡 つるばみ | 本名:水瀬玄 役職:警視局中警部。 双葉と愁二郎の担当。(後半戦は双葉の担当) 双葉が進次郎を助けたあたりから双葉に肩入れし、最後まで助けてくれる。 ⇒詳しく |
| 櫻 さくら | 本名:桐野利秋(中村半次郎) 川路に泣きつかれて話を受けた、人斬り半次郎。 ⇒詳しく(半次郎の記事へ) |
| 椒 はじかみ | 本名:坂口静乃 蹴上甚六の担当。 23,4歳の女性。甚六を死んだ兄に重ねたのか、はたまた恋をしたのか。 甚六の死後、運営を裏切って愁二郎を助ける為に動く。 ⇒詳しく |
| 柙 はこ | 本名:多羅尾譲二 響陣の担当。 元甲賀忍者。千景の異母弟。 ⇒詳しく(槐の記事へ) |
| 社 やまなし | 進次郎の担当。 進次郎に情が湧いていたものの、任務遂行を優先して死亡。 ⇒詳しく(進次郎の記事へ) |
| 梔 くちなし | 自見隼人の担当。 自見が蠱毒の掟を破ったため、処罰として殺害した。 |
| 杷 さらい | 衣笠彩八の担当。 |
| 樗 おうち | 化野四蔵の担当。 |
| 樒 しきみ | 眠(ミフティ)の担当。 ミフティが撒いた毒を吸って昏倒状態に。 |
| 椹 さわら | 本名:小野山乕重。 愁二郎を蠱毒後半戦にて担当。 響陣の攻撃を受けた後、橡に眠の毒を吸わされる。 (死亡したかは不明) |
| 栂 つが | 本名:牛場修蔵 カムイコチャの担当。 裏切った椒を処罰しようとしたところ、橡に眠の毒をかがされる。 生存率は五分。 |
橡(つるばみ)こと水瀬玄とは?

双葉を担当する木偏『橡』。本名:水瀬玄。
水瀬は双葉の正しさに傾倒し、蠱毒運営をも謀りながら、双葉に助力してくれる人物です。
具体的にはどのような裏切りを働いて、なぜ双葉に肩入れし、どういった過去があり、最後はどうなったのか?
簡単にまとめてみます。
橡は何をした?双葉のための裏切り行為

まずは橡の裏切り内容、双葉のために何をやったのか?を簡単にまとめてみます。
- 駅逓局で電報を打っていた愁二郎の件を上に報告せず。バレても「掟違反ではない」と堂々発言。
- 事あるごとに、さりげなく助力(幻刀斎の居場所を教えたり、今後の展開を匂わせる等)。
- 後半戦、警察官の一団から双葉を隠す。
- 愁二郎の居場所を双葉に教える。
- 同じ木偏である「椹」と「栂」を眠の毒で戦闘不能に。
- 双葉は罪を犯していない、新聞に書かれていたことは誤りだと必死で主張して守る。
- 川路(黒幕)の目的を愁二郎に暴露。
- 双葉に賞金がきちんと払われるよう奔走。
何者なの?蠱毒参加は「復讐」のため

橡の過去はかなり詳細に描かれています。
商家の長男『皆川玄』として幸せな家庭で育ったものの、一日で天狗党に両親と妹を惨殺された玄。
天狗党とは?
水戸藩の中で「尊王攘夷(=天皇を尊び外国を追い払え)」を強く主張した過激なグループ。
勢いが暴走し、村を荒らしたり略奪したりしたため多くの人から恐れられた。
復讐のために「靖兵隊」……元新選組の離脱組が作った隊に所属します。
そこで林信太郎隊に所属。内偵・尾行・観察などの腕を磨きました。
天狗党に対抗する『諸生党』に合流して戦ったこともありましたが……
結局戦争の中では復讐を果たせず。
林が新撰組時代に集めた「なりすましストック」である佐賀藩士の下級武士の名を借りて「水瀬玄」と名乗り…
警保局に所属。
非番の日に、天狗党の生き残りを一人ずつ葬る日々を送ってきました。
残るは後一人。天狗党幹部の岩谷敬一郎。
川路の覚えを良くすれば、近づけるかも知れない人物……
蠱毒への参加を決めたのは、そんな邪念からです。
橡の最後は?

橡は蠱毒終了後、双葉が賞金十万円を受け取れるように奔走。
何をしたのか具体的には描かれていませんが、駅逓局の電報にて受取先を伝えてくれました。
そしてその後、橡は大審院(最高裁判所)に出頭。
洗いざらい事『蠱毒』の顛末を話し、法の裁きを待っている状況で物語が終わりました。
最後の一人、天狗党幹部の岩谷敬一郎を葬れたかどうかは分かりませんが……
一つ一つ、後悔のない選択をしている様が見受けられます。
椒(はじかみ)こと坂口静乃とは?

蹴上甚六の担当者だった椒(本名:坂口静乃)も、運営を裏切った一人です。
彼女は神風連の乱で殉職した坂口静樹一等巡査(実在する人物)の妹でした。
神風連(しんぷうれん)の乱とは?
明治9年(1876年)に熊本で起きた武士の反乱。
政府に不満を持つ人々が起こした事件で、警察官も犠牲になった。
何の罪もない兄が切り刻まれて、士族を強く憎んだ静乃。
そんな彼女を、槐が給女という形で警保局に招き入れ、今回の蠱毒参加に至ったらしいです。
しかし甚六との二人旅で、その気持ちにも変化が……
他の参加者と違い、担当である椒に事あるごとに話しかけていた甚六。
椒はそんな甚六を兄に重ねたのか、死に行くような甚六を悲しみをこらえて見送った後……
甚六の願いを叶える為に奔走。
甚六の義兄弟・愁二郎を生かすために情報をリークします。
橡以上に掟や任務を無視した、死を覚悟した裏切り。
彼女のその後については描かれていません。
もしかしたら橡が、何か言い訳や口裏合わせをしてくれた可能性もありますが……
生きていることを願いたいですね。
参考書籍:イクサガミ全4巻(Amazon)



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