汐見夏衛さん著作『あの花が咲く丘で、また君と出会えたら。』…略称『あの花』。
女子中学生・百合が戦時中へタイムスリップし、特攻隊員・彰と出会う戦争&恋愛小説です。
(映画化もヒット)
この記事では『あの花』原作小説について
をまとめています。
▼ 原作小説はこちら
目次
【簡単に】ネタバレあらすじ要約
まずは原作小説のあらすじを簡単に解説します。
ラストまでのネタバレが含まれますのでご注意ください。
女子中学生が戦時中にタイムスリップ

絶賛反抗期の中学2年生『加納百合』は、
母親と口論になった後、家を飛び出した。
裏山に残っている防空壕で、一夜を明かそうと考えた百合。
しかし目覚めるとーー……
1945年、戦況が悪化した日本だった……!?
百合は太平洋戦争終戦前……70年前にタイムスリップしていたのだ。
暑さで喉が渇ききっていた百合を助けてくれたのは、
『佐久間彰』と名乗る男性だった。
佐久間さんは百合を、鶴屋食堂の「ツルさん」の元へ連れて行ってくれた。
帰り方が分からない百合は、鶴屋食堂で住み込みで働くことになる。
佐久間彰と百合の丘

働き始めて数日後、佐久間さんが食堂に来た。
そして元気がない百合を、無数の百合が咲く丘に連れて行ってくれる。
百合は佐久間さんから、
- 今年20歳であること
- 赤紙(召集令状)が来て、基地があるこの地にやってきたこと
- 故郷に百合と同い年の妹がいること
を聞く。
流れで『彰』と呼ぶようになった百合だが、妹と重ねられていることに少しモヤっとした。
戦争について彰は、「始まってしまったからには、なんとしても勝たなくては」と話す。
それに対し「そんなのおかしい!」と言い切る百合。
この日は喧嘩別れとなった。
彰たちは特攻隊員

ツルさんは、鶴屋食堂の常連である兵士たちに、採算の合わない豪勢な料理を出す。
それは彼らが『特攻隊員』だからだそうだ。
片道分だけの燃料を積んで敵軍に特攻する、国のために死にに行く尊い人たち。
石丸さん(20)、寺岡さん(29)、加藤さん(26)、板倉さん(17)、そして彰(20)。
百合のことを可愛がってくれる彼らは、
「自分の命をもって妻子を守る」「教え子を守る」「上官の言葉に感銘を受けた」と言う。
百合はそれが、腹立たしい。
かき氷デート

反戦的な発言をして警官に目をつけられたところを、ツルさんと彰に庇ってもらった百合。
その際にツルさんが怪我をしたため、食堂は1日休みに。
ツルさんの提案で、彰と二人で出かけることになった。
甘味処でかき氷を食べ、甘い空気になり、手を繋いで歩く。
つかの間の幸せが、そこにはあった。
焼夷弾が降る

7月。
おつかい中に空襲警報が鳴り、ついに焼夷弾が降ってきた。
火事、パニックになる人々、沢山の死人……
焼け崩れた柱の下敷きになり、動けない百合を助けに来てくれたのは彰だった。
おぶられて逃げる際中、助けたくても助けられない人がいる。
避難場所である小学校で眠り、朝が来た。
焼け野原になった場所もあるが、幸いにも鶴屋食堂には火の手が及ばず、ツルさんも無事だった。
それから一週間。飢え死にしないようにするのが精一杯で、人々は疎開していく。
彰たち兵士の様子も、どこかおかしい。
出撃命令と口づけ

彰たちに出撃命令が出たらしい。
3日後の13時。
兵士の1人『板倉』は、片足が動かない婚約者の元に帰ろうと逃げ出した。
敵前逃亡を責める加藤、板倉を庇う百合。
「早く行け」と見逃しのセリフを吐いたのは彰だった。
その後、彰に「あの丘に行きたい」とお願いした百合。
灯火統制があるため丘は真っ暗だったが、その分満点の星空が見えた。
「いつか見せてやりたいと思っていた」と言う彰に、
「彼がどうしようもなく好きだ」と気づいた百合。
しかし「戦争に行かない」という言葉はもらえず、
贈られたのは、額への口づけだった。
彰との別れ

出撃の前日、鶴屋食堂に隊の皆がやってきた。
『悠久の大義』を掲げる皆。
百合は彰に「行かないで」「私を置いていかないで」とすがったが、
最後には困らせるだけだと飲み込んで、今までのお礼を言って別れた。
出撃当日。
見送りに行かず家に居た百合は、
特攻隊員たちがツルさんに託した手紙を見つける。
中には彰から百合への手紙もーー……
百合は家を飛び出した。
基地の飛行場、滑走路。
彰の名を叫ぶと、特攻機に乗った彰の目が百合にとまり、何かが投げられた。
それは、美しく花開いた白い百合。
彰は百合に手を振り、きれいな笑顔のまま青空に飛び立った。
現代に戻った百合と『特攻資料館』

見送り後に気を失った百合は、目が覚めたら現代に戻っていた。
なぜか一晩しかたっておらず、家に帰ると一晩中自分を探し回っていた母親がいた。
百合は泣いて今までのことを謝った。
そして、命の危険がない生活の幸せを実感する。
ある日学校の社会科見学で向かった先、『特攻資料館』。
百合は展示室で、特攻隊員たちの白黒写真と
彰から自分への遺書を見つけた。
“君のことを愛していた。”
“戦争などのない時代に生まれていたのならば、君と一緒を共に過ごしたかった。”
“生き抜いてくれ。”
涙があふれ、止まらない。
【結末】現代で生まれ変わりと遭遇!?

学校に戻り、校門を出たところで見慣れない制服の男の子を見つけた。
その顔を見た途端、百合は「彰だ」と思った。
彼は同い年で、今度百合の学校に編入するらしい。
彰たちの犠牲は絶対に忘れないと、百合は誓う。
精一杯生きるから、どうか安らかに眠ってください。
(この後、彰の死に際……米兵の怯える顔を見て命を奪うのをやめ、何もない海面に突撃した最期が描かれている)
登場人物相関図
登場人物の相関図(関係図)です。

作品概要(実話?略称は?資料館は何県?他)
| 小説ジャンル | 恋愛・戦争・ タイムスリップ |
| 発行年(初版) | 2016年 |
| 小説ページ数 | kindle版225ページ |
| 読了時間 | 6時間弱 (私の場合) |
| キャッチコピー | (書籍)この1冊が、わたしを変える。 (映画)初めて愛した人は、特攻隊員でした。 |
| タイトルの略称 (略し方)は? | 公式は「あの花」と略している。 しかし他タイトルと被っているため「#映画あの花」というハッシュタグも。 |
| どこの話? 舞台は何県? 資料館モデルは? | 原作に具体的な地名は出てこない。 しかし「特攻資料館」のモデルは鹿児島県にある『知覧特攻平和館』であり、 続編で「行こうと思えばいつでもいける距離」と書かれている。 =鹿児島県? 尚、百合畑のモデルは特に描かれていない。 映画を撮影した百合畑は静岡県らしい。 |
| 実話なの? | 歴史資料をもとにしたフィクション。 ただし、ツルさんにはモデルがいる。 (「特攻の母」と呼ばれる鳥濱トメさん) |
続編について(あの星・アナザー)

(私が購入した際は、kindle unlimitedですべて読めました!)※2026年7月
※表紙は色々なパターンがありますが、タイトルはこの三つです。
まとめ|『あの花』は、戦争と恋を描く感動作
要約だけでは伝わりきらない、切なさをはらむ物語。
彰の覚悟や百合に遺した言葉を詳しく知りたい方は、ぜひ原作小説を読んでみてください。
また、続編では百合が「彰だ」と直感した「涼」という少年との恋が描かれます。
しかし実際は別人なわけで……?
『あの花』の結末の先を知りたい方は、こちらも続けて読むのがおすすめですよ!

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