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『汝、星のごとく』名言5選。つまらないという意見とは?ネタバレ感想

『汝、星のごとく』名言5選。つまらないという意見とは?ネタバレ感想 小説・実用書

「……ほんま、すごい女やな」
心の底から嬉しくて、ゆっくりと視界がぼやけていく。

『本屋大賞2023』で大賞を受賞した、凪良ゆうさんの著書、『汝、星のごとく』。
著者の凪良ゆうさんは、本屋大賞二度目の受賞でした。

汝、星のごとく
講談社
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この記事ではそんな「汝、星のごとく」について

  • あらすじと感想
  • 名言5選
  • 何故つまらないという意見があるのか?

について紹介していきます!

ネタバレがございますので、未読の方はご注意ください。

あらすじ

瀬戸内の海

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。

ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。

生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

物語の雰囲気は?簡単な感想

表紙・タイトル・目次から美しさを期待して読むと裏切られます。

書かれているのは人間の汚さや闇。

例えば第二章のタイトル『波蝕』は、波が砂を削るようにゴリゴリと精神を削っていく展開が示唆されています。

親ガチャでぶっちぎりのハズレを引いてしまった男女。
心ない声。
にっちもさっちもいかない状況で、救いは柔軟な多様性ーー?

ーーー混沌とした人生の中に、明星を見つけるための物語です。

人間関係…特に親との関係につかれている人に読んで欲しい物語です。

心をえぐる【名言】5選

暁海と櫂の生々しい感情を伝えてくれる、名言を5つご紹介します。
人と、自分と向き合う難しさを教えてくれます。

問題がある親との付き合い方

大学に行きたいけれど、浮気相手のところに居る父親を頼っていいものか……

そんな迷える暁海に櫂が言うセリフです。

「頼らんでええ。使ったれ」

このセリフが、暁海に(浮気相手の家まで)父親に尋ねに行く勇気をくれます。

大学費用は出せるのか、親からはっきり子供に伝えてほしいところですが…

距離があるほど、言うべきことは言わないと相手は気づきません。

図太い神経で付き合っていく必要性を教えてくれます。

依存している人の気づき

自分がどうありたいかの選択権は、いつでも自分の手の中に在る。
櫂に求めず、なんらかの答えをわたし自身が出せばいい。

例え経済的に頼っていようと、反対されようと、選択権はいつでも自分にあります。

自分の気持ちから逃避せず、前向きに生きよう。
暁海の覚悟が決まってきた言葉です。

周りの目を気にせずに、望みに向かって突き進んでいける人は美しいなと思います。

物語を象徴する『強さ』

力強いイメージ

わたしは島からでられない。だったらここで立つしかない。夢なんて甘っちょろいもんじゃない。死に物狂いでしがみつくしかない。人の目など、もうどうでもいい。
わたしはここで生きていく。

暁海が母親を見捨てられない・島を捨てられない自分を受け入れた場面です。

非常にアウェーな環境で生きていくことを決めた27歳。

覚悟を決めた女はカッコいい。

櫂の明星とは?

明星

一番じわりときた熱のこもった言葉です。

「……ほんま、すごい女やな」
心の底から嬉しくて、ゆっくりと視界がぼやけていく。

仕事がなくなり胃がんで死にかけの櫂は、ネットで「井上暁海」の名前を見つけます。

背負わなくてもいい荷物を背負いながらも、一歩ずつ這いずり成功した暁海の姿。

さながら夕空に輝く明星のように。汝、星のごとく輝く。

このセリフ言わせたいが為に、櫂を京都出身にしたんじゃないかと思うくらいの熱の宿った言葉です。

子どもに余計な荷物を背負わせないで

「(略)特別強くなくていいから、せめて子供に余計な荷物を背負わせないで。少しでいいから荷物を持ってあげられる、それくらいの大人でいてよ」

やっと…!やっと親に物申した暁海の言葉です。(櫂の親ですが…)

その後言いすぎたと謝りますが、これまでのことを鑑みるに絶対言い足りないくらいです。

まぁ後半は期待しすぎかもしれませんが……

子供に寄りかからず、まずは一人の人間として自立することが大事だと改めて教えてくれます。

何故【つまらない】という意見があるのか?

『汝、星のごとく』で検索すると、第二検索ワードに『つまらない』がでてきます。

本屋大賞までとった作品に、なぜこのような意見があるのか?
理由は二つ考えられます。

苦みが強すぎる

最後、30代前半という若さで死去した櫂。
暁海は北原先生と結婚します。

恋愛感情はなくとも、助け合える関係を明確にする特殊な結婚です。

にっちもさっちもいかない現状へのトリッキーな打開策。

しかし結婚の実態は詳しく描かれず、

我が家の破綻した事情は島民共有の現在進行形リアル・エンタテインメントだ。

というように、口さがない島民の噂話の印象が強く残ります。

全体を通して「楽しい」という感情とは無縁のストーリー。「つらい」という感情が先に来るかもしれません。

毒親思いすぎて共感できない

『親にやめてほしいこと』というテーマでビンゴでも作っているような本作。

  • 夫の浮気相手の外見を真似する母
  • 母親が泥酔して吐いたものがかかる
  • 金の無心
  • 宗教にのめりこみ貯金を溶かす
  • ヒステリー痴話ゲンカ

など、両方の親がとても手に負える状況ではありませんでした。

しかしそれでも見捨てない二人。

特に「母親が居るから島からでられない」と決断を下す暁海に共感できず、イライラしてしまう人もいるかもしれません。

まとめ

人情ものが選ばれやすいという『本屋大賞』で優勝しただけのことはある、生々しい感情が描かれる本作。

読んでいて感じる感情がとにかく多く、読み応えたっぷりの作品です。

この記事を参考に、是非よんでみてください!

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