『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の科学設定を理解したい人向けの記事です。
以下の言葉をイラスト図解で解説しています。
- アストロファージ
- ペトロヴァライン
- スピンドライブ
- タウメーバ
- タウ・セチ星
- キセノナイト
物語の土台となる科学要素を理解していないと面白くない物語『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
関連記事:プロジェクト・ヘイル・メアリーはつまらなかった。読んだ感想|どこから面白くなる?翻訳ストレス
できるだけ簡単にまとめていますので、ぜひ保存してお役立て下さい。
目次
◎プロジェクト・ヘイル・メアリーの科学設定(全体図)
最初に、物語の大きな構造を整理すると、次のようになります。
太陽の異常
↓
原因:アストロファージ
↓
太陽エネルギー減少
↓
地球滅亡の危機
↓
宇宙船ヘイル・メアリー号が出発
↓
タウセチ星系で原因調査
この危機を解決するために送り出された宇宙船が、主人公の乗った『ヘイル・メアリー号(宇宙船)』です。
◎アストロファージとは?謎の微生物

アストロファージは、プロジェクトヘイルメアリーに登場する未知の微生物であり、
地球をピンチに陥らせる問題の発生源です。
アストロファージの意味は「astro phage」で、
その名の通り恒星のエネルギーを吸収して生きる存在。
| 正体 | 未知の微生物 |
| エネルギー源 | 太陽などの恒星 |
| 大きさ | 約10μm(非常に小さい) |
| 主成分 | ほぼ水(H₂O) |
| 温度 | 約96.4℃で一定 |
つまり、太陽エネルギーを奪うことで地球を寒冷化させることが問題でした。
人類滅亡に立ち向かうため、地球の科学者たちはアストロファージの別の特性を利用して、
地球の気温を保つための調査に宇宙船『ヘイル・メアリー号』を放つのです。
◎宇宙船の燃料として最適

アストロファージの最大の特徴は、異常なエネルギー性能です。
- 太陽のエネルギーを吸収
→ 体内で「質量」として保存 - 移動するとき
→ 質量をエネルギーに戻す
→ 後ろに光を出す(爆発・核エネルギーに近い)
→ 反動で前進
普通のロケットなら、燃料の一部しかエネルギーにできないのですが、
アストロファージは質量そのものをエネルギーに変換することができます。
つまり効率が桁違いであり、宇宙船の燃料としてアストロファージは最適!
ヘイル・メアリー号の燃料としても積み込まれています。
◎ペトロヴァラインとは?アストロファージの流れ

物語の序盤で発見されるのがペトロヴァラインです。
太陽から金星へと伸びる発光の帯状現象です。
これはアストロファージが移動する際に放つ光が連なったもので、宇宙空間に一本の「光の流れ」として観測されます。
つまり「移動の痕跡」であり、観測装置『ペトロヴァ・スコープ』で検出できます。
◎スピンドライブとは?宇宙船のエンジン

スピンドライブとは、プロジェクトヘイルメアリーに登場する「宇宙船のエンジン」です。
アストロファージのエネルギーを利用し、光の反動で宇宙船を前に進めます。
動く仕組み▼
- 赤外線でアストロファージを集める
- 三角形の回転体が回って向きを変える
- エネルギーを後方へ放出し、その反動で前進する
このエンジンのすごい点は、少量の燃料(アストロファージ)で非常に大きなエネルギーを生み出せることです。
そのため、宇宙船(ヘイル・メアリー号)は光速に近い速度まで加速でき、恒星間移動を実現します。
またスピンドライブは1つの巨大エンジンではなく、小型エンジンを約1000基搭載する構造です。
これにより、故障しても他のエンジンで補うことができ、安定した航行が可能です。
◎タウセチとは?ヘイル・メアリー目的地

タウ・セチ(くじら座タウ星)は、実在する恒星です。
地球から約12光年の距離にある「太陽そっくりの星」。
この星は、なぜか近隣の星と異なり「アストロファージに感染していない」ため、
宇宙船《ヘイル・メアリー》が調査に向かいました。
つまりここが、物語の舞台です。
タウ・セチ星をヒントにして、アストロファージから太陽を守る方法を発見し、地球寒冷化を止めよう!ということです。
◎タウメーバとは?アストロファージの天敵

タウメーバは、下巻半分あたりで発見される『アストロファージの捕食者』です。
つまり、地球を寒冷化から救う「解決のカギ」になる存在です。
- 極低温(-51℃)でも生き、温度変化にも非常に強い
- 真空に近い環境でも生存可能
- アストロファージを食べるとメタンを排出
非常に心強い味方ですが、弱点は「窒素を含む環境では生きられない」ということ。
当然地球の空気でも生きられないので、グレースたちは「タウメーバに窒素耐性をつけさせる」という方向で実験を進めていきます。
◎架空素材『キセノナイト』とは?鎖もこれで
キセノナイト(Xenonite)は、プロジェクトヘイルメアリーに登場する架空の素材です。
異星人『エリディアン』が開発した科学技術で、人類にはまだ作れない高度な合成素材。
主人公・グレースが素材名を名付けました。
キセノナイトは、ほとんど破壊不能と言えるほど強靭で、極端な環境▼にも耐えられる性能を持っています。

- 構造材と断熱材を兼ねる素材
- 外観も用途によって変更可能(不透明の色付きのものも、透明のものもあり!)
複数の液体材料を混ぜて化学反応で固めることで製造できます。

キセノナイトはエリディアン文明の様々な技術に使われています。
- 宇宙船ブリップAの構造材
- アストロファージを保管する容器
- 高強度の鎖
- 宇宙エレベーターの構造材料
◎用語まとめ(各一言で)
最後に登場用語を整理します。
アストロファージ
恒星のエネルギーを吸収して生きる微生物
タウメーバ
アストロファージを捕食する生物(天敵)
スピンドライブ
アストロファージを利用した宇宙船のエンジン
ペトロヴァライン
アストロファージが移動する際に見える発光の帯
タウ・セチ
宇宙船の目的地となる恒星(感染していない星)
キセノナイト
エリディアンが作った超高強度の人工素材
紹介した書籍▼


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