この記事では、東野圭吾著作『クスノキの番人』について
- ネタバレあらすじ(結末まで)
- 登場人物相関図
- 何故「つまらない」という意見があるのか
をネタバレ有りでお伝えしていきます。
『容疑者Xの献身』で知られる東野圭吾のファンタジー!!
憎めない主人公に、最後うるっときてしまう展開……続編も発売されているので読みたいと思いますが、まずはシリーズ初作のまとめです。
目次
あらすじネタバレ要約【相関図も】

あらすじをラストまで、要所をまとめて解説します。
導入:『クスノキの番人』に抜擢された主人公
働き先で揉めた結果クビになり、退職金代わりにと盗みに入った結果……
捕まって留置所送りとなった主人公『玲斗』。
しかしそこに、なぜか弁護士が派遣され……
「釈放された後、依頼人の命令に従う気があるのなら、弁護士費用を全て出す」
という条件をのんだ結果、玲斗は解放された。
依頼人の正体は、会ったことのない伯母・千舟だった。

そして玲斗は、千舟から『クスノキの番人』という仕事を命じられる。
月郷(つきさと)神社のクスノキの世話をするだけでなく、夜に『祈念』する人を補助するこの仕事。
これはいったい何なのか?
なぜ『柳澤グループ』の顧問までしている千舟が、わざわざ玲斗に依頼するのか?
『番人の仕事』と『千舟の事情』。この二つが徐々に明らかになっていくーーー……
ファンタジー要素:『クスノキの番人』とは?

結論から言うと、月郷神社のクスノキは超常現象を起こす力を持っており、
- 新月の夜に念じると、念じたことがクスノキに残る(預念)
- 満月の夜に預念者のことを思うと、血縁からの預念が受け取れる(受念)
というファンタジーな存在でした。
よって、クスノキへの祈念は多くの場合「遺言」に使われるわけですが……
普通の遺言と違うのは伝えたいことだけでなく、「全てが伝わる」ということです。
「伝えたいこと」だけでなく「隠したいこと」も伝わってしまう。
逆に言えば、堂々と祈念することで「自分の人生に隠すことなどない」という証明にもなる、ということです。
その祈念の一切の段取りをするのが『クスノキの番人』。
悪用させないよう規則を守らせ、祈念した人のリストを管理し、手助けできることがあればする……
祈念者の人生にかかわってくる、重要な仕事です。
3組の祈念が描かれる
この物語では、主に三組の祈念(預念と受念)が描かれます。
預念者はこの三人。
- 佐治優美の父の兄(既に死亡)
- 和菓子メーカー『たくみや本舗』前会長・大場藤一郎(既に死亡)
- 千舟
それぞれが、どのような念を残したのか?
受け取った者たちが、どのように動くのか?が物語の肝となっています。
佐治喜久夫の預念
父「寿明」の浮気を疑い、月郷神社まで尾行してきた「優美」。
- 寿明は女性と会っている
- 祈念中に何か鼻歌を歌っている
という情報をつかみ、玲斗に協力を仰いで調査を進めます。
結論から述べますと、寿明がやっていたこととは
「疎遠のまま亡くなった兄『喜久夫』がクスノキに遺した曲を、再現して認知症の母親に聞かせること」
でした。

何度も兄が預念した曲を聞き、
鼻歌を音楽関係の仕事をしている女性『岡崎さん』に伝えて、曲を再現してもらっていた……というオチでした。(岡崎さんが浮気相手と勘違いされた)
寿明には音感が無く、難儀していたこの作業。
しかし玲斗の案「クスノキに寿明が預念→音感がある娘・優美が受念して岡崎さんに伝えればよいのでは?」を実行したことで曲が完成。
寿明の母が入っている介護施設にて、演奏会を開きました。
認知症の母はこの曲を聞いて、もう分からないと思われていた息子「喜久夫」の名前を呼び……
これが、1つの物語です。
大場藤一郎の預念
和菓子メーカー『たくみや本舗』の会長『大場藤一郎』。
彼は亡くなった時、跡継ぎについての明確な遺言を遺しませんでした。
そのため「クスノキに預けているのでは?」と考えた周囲。
そんな事情で無理やり受念に連れてこられたのが息子の『壮貴』でした。

しかし自分が母とその元カレの間に生まれた子であることを、父から聞かされていた壮貴。

血の繋がりが無いと受念できないのに、なぜ父は指名して自分を受念させるのか……?
この答えに辿り着いたのが玲斗でした。
- 大場藤一郎は、自分が潔白であることを伝える為に預念せざるをえなかったのでは?
- 壮貴の場合、生きている間に父の念、考えを受け取っているのでは?
これを聞いてクスノキの中でじっくりと、父を思い返した壮貴。
答えは導きだされ、これも一つの受念として成立しました。
【結末】千舟の預念

最後が玲斗の伯母・千舟です。
玲斗は自分をクスノキから遠ざけた千舟の行動に、
「千舟自身が預念するため」だと早々に感づき……
次の満月の夜にそれを受念して、千舟の事情と今の想いを知ります。
- 千舟は一年ほど前に「軽度認知症」を発症しており、クスノキの番人を頼める、血の繋がりがある跡継ぎが必要だった。
- 異母妹に当たる玲斗の母と縁を切り、手助けできずに死なせた過去に罪悪感を感じており、玲斗の面倒を見るのは罪滅ぼしの気持ちもあった。
- 柳澤グループの顧問を退任するのは認知症発症のため。
千舟を冷遇しているように見えた柳澤将和などは、病気の事を誤魔化してくれていた。 - 柳澤グループの顧問退任後は旅行に行くつもりだが、そこで自殺も考えている。(劇薬・亜ヒ酸を準備している)
そして行動を起こした玲斗。
千舟の心残りだった「ホテル柳澤の閉館」を止める為、役員会に乗り込んで千舟の想いを代弁するスピーチをしたり……
(スピーチのかいあって一年様子見が決定!)
旅行から必ず帰ってくるように、亜ヒ酸は持って行かないようにと説得します。
例え忘れても明日の千舟さんを受け入れる。
その言葉はクスノキを通じずとも、千舟に確かに伝わりました。
読書感想&つまらないという意見について

たいていの本は1日、遅くとも2日くらいで読みきる私ですが、『クスノキの番人』は3日かかりました。
長いのと、電子書籍が無いので隙間時間に音読してもらう事ができず、ちょっと時間かかりましたね。
結論から言うと、結構満足な内容となっていました。
ただ、以前読んだ東野圭吾の他の著作『容疑者Xの献身』のイメージが強すぎまして……
こちらが凄すぎる為に期待値は超えてこなかったかな~~という印象が……
ですが、『クスノキの番人』と調べると第二キーワードに『つまらない』とでますが、そこまでではないと思います。
いや、どうなんでしょう……三十路である私の年代あたりにぴったりだからそう感じるのかもしれません。
描かれている認知症とか社会の厳しさなどが、高校生までの自分に刺さったかどうかは分からないなと。
個人的には、20代以降向けの作品じゃないかなと思います。
しかし、確かに続編が気になる内容ですね。
- 軽度認知症を発症した千舟
- クスノキの番人以外に、特に将来が決まっていない玲斗
- 特に進展しなかった優美との関係
このあたり……続編の『クスノキの女神』にて書かれるようなら読まずに終われません。
近々そちらの記事もアップしたいと思います。
続編▼
東野圭吾作品の傑作▼(全力でおすすめ)

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