今村翔吾著作『イクサガミ 天』読了しました!(原作小説)
4巻完結の『イクサガミ』1巻目。
舞台は明治初期。木札を奪い合い賞金十万円を手に入れろ!
以下、ネタバレあらすじと蠱毒のルール・感想をまとめています。
天 ネタバレあらすじ

まずは簡単なあらすじ要約です。ネタバレにご注意ください。
開始~天龍寺突破まで

明治11年(1878年)。
何者かが「武勇に優れる者」を京都天龍寺に集めた。
豊国新聞という胡散臭い新聞で周知したそれは、
金十万円……巡査の年棒二千年分以上の大金が得られる機会とのことだった。
コレラにかかった妻子と集落の者を助けるため、主人公・嵯峨愁二郎も参加を決める。
そして5月5日。天龍寺に292人が集まり、デスゲーム「蠱毒」が開始された。
まずは前半戦。
それぞれ1枚配られた木札を奪い合いながら、東京を目指す殺戮の旅だ。(ルール詳細は後程)
クリアできるのは九人。
愁二郎は、12歳の娘が参加しているのを見かねて行動を共にする。
| 第一関門:天龍寺の総門(木札1人2枚必要) クリア |
第二関門突破まで

その娘…双葉も愁二郎と同じく、コレラの母を助ける為に参加したらしい。
宿では、参加者である本物の警察官に襲撃され撃退。
かつて愁二郎が助けた店主が事情を察して十円をくれたため、当面の宿代を確保できた。
その後、天龍寺で双葉に木札を譲ってくれた男…元伊賀忍者の柘植響陣がアポイントをとってきた。
響陣は二人に同盟関係を持ち掛け、しばし考える時間を与える。
その後
- 愁二郎が義兄弟の一人「彩八」に切りかかられ、義兄弟の生き残り全員が参加していると判明する
- 途中、「子を狙うのはアイヌの掟に反する」として、カムイコチャというアイヌの男に助けられる
ということがあった。
| 第二関門:東海道の伊勢国関(木札1人3枚必要) クリア 木札確認者:橡 |
響陣と情報共有&実験

響陣と合流し、同盟を結ぶ。
愁二郎&響陣は、双葉の「できれば敵を殺さないでほしい」という願いに同意した。
そして情報共有&作戦会議を行う。
現在分かっている強敵▼
- 仕込み杖の爺さん
- 弓使いカムイコチャ
- 貫地谷無骨(乱切り無骨)
- 菊臣右京(双葉を助けてくれた優男)
ちなみに響陣は「刻舟」と呼ばれていた愁二郎のことも知っていたらしい。
さらに蠱毒における『失格』の定義についても調べることになった。
道中、船上にて3名の参加者を生け捕りにできたため、
それぞれ異なる行動をとらせて運営の行動を探る。
| 人物 | 取らせる行動 |
|---|---|
| 医者を名乗り近づいて来た男「赤山宋適」 | 木札無しで警察に出頭。 |
| 医者の従者を名乗る男「川本寅松」 | 木札ありで警察に出頭。 |
| 別の船から襲撃してきた男の一人(脅されて従っていた)「狭山進次郎」 | 木札を持ったまま響陣に随行させ、失格とされる瞬間や罰を探る |
双葉が攫われる

響陣と別れて二人旅になった後。
双葉を義兄弟の三助にさらわれ、愁二郎自身は貫地谷無骨に足止めされてしまう。
そこで無骨の相手を買ってくれたのは右京だった。
愁二郎は、後を右京に任せて三助を追う。
しかし右京は……無骨に敗れて殺された。
蠱毒参加者、残り84人。
蠱毒のルール(前半戦)

| 通過地点 | 必要点数 |
|---|---|
| 天龍寺の総門 | 2点 |
| 東海道の伊勢国関 今回ここまで | 3点 |
| 三河国池鯉鮒 | 5点 |
| 遠江国浜松 | 10点 |
| 駿河国島田 | 15点 |
| 相模国箱根 | 20点 |
| 武蔵国品川 (東京) | 30点 |
- 開始から1か月後の6月5日に東京にいなければならない
- 離脱禁止
- 他言禁止
- 破れば相応の処罰
参加者:今回292人⇒84人まで減少。
感想

特に武力があるわけではない少女「双葉」が今後どう影響してくるのかが、注目どころですね。
あらすじから省きましたが、黒幕っぽい人物も早速少し登場した今巻。
蠱毒を開催した理由が「金に困窮した武力を持つ人間」=「権力者の暗殺を引き受ける人間」を根絶やしにしたい……ということなら、
運営の思惑通りに殺し合いしてていいのか?という根本的なところも考えなければいけませんしね。
現実的には難しい話でも、殺さない双葉が運営にとってのイレギュラーになり得るかもしれません。
それにしても、キャラクターが個性豊かで魅力的です。
確かに金十万という大金は、自分だけでなく他人の為に稼ぐ金額。
カムイコチャは個人的に一押しですね。和人から村を買い戻す…そのために34,300円が必要。
規格外の金額で、確かに蠱毒で勝ちあがるしか方法が無いわけです。頑張ってほしいところです。
そして右京ーーー!!
過去を知らされた後あっさり死んでしまって驚きでした。もう少し生き残るのかと……
無骨…頭を持って振り回すな…給食袋を振り回す小学校男児みたいなことをするな……
まとめ

イクサガミ『天』をまとめると……
- 明治初期、賞金十万円を懸けたデスゲーム「蠱毒」が開幕。
- 主人公・愁二郎は病の家族を救うため参加し、少女・双葉と行動を共にする。
- 同盟者の響陣と協力しつつ、関門を突破して東京を目指す。
- 義兄弟たちも参加しており、双葉が三助に攫われる。愁二郎の過去が明らかになりそう。
- 右京が犠牲になり、残り参加者84人。
ということでした。
面白くてあっという間に読み終えてしまいましたが、まだまだ序盤という感じですね。
紹介した書籍▼

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