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「わたしを離さないで」が「約束のネバーランド」に似ている件

投稿 ブロック 「わたしを離さないで」が「約束のネバーランド」に似ている件 小説・実用書

カズオ・イシグロの著作『わたしを離さないで』を読んで「設定が『約束のネバーランド』に似てない…?」と思う人は多いのではないでしょうか?

調べてみると「パクリ」など穏やかでない検索ワードも出てきますが…

この記事では『わたしを離さないで』と『約束のネバーランド』について

  • 限りなく似ている点と、決定的に違う点
  • この2タイトルだけが似ているのか?他の似た作品について

を考えていきたいと思います。

こういうゾッとする作品好きだけど、他は何を読めばいいか分からない…そういった方も是非最後まで読んでみてください。

『約束のネバーランド』の『わたしを離さないで』パクリ説について

『わたしを離さないで』が2005年、『約束のネバーランド』が2016年発表です。

つまり「パクった」というなら「約束のネバーランドがパクった」なわけですが、本当にそうなのでしょうか?

二作品の類似点は

親のいない子どもたちが、良い環境(一つの施設)で育てられている。
しかしそれは誰かに利用されるためであり、彼らは若い内に命を落とすことが決まっていたーー……

というストーリー。

「教育熱心な先生」「閉鎖された施設」「残酷な死に方が決められている」

確かに似ていますね。
しかし、似通っているのはここまでだとも言えます。

◎二作品の違いについて

二作品の決定的に違う要素、それは非道な環境を理解した主人公たちが「逃げるか逃げないか」でしょう。

『約束のネバーランド』では逃げました。
残酷な真実を隠す大人。それに気づいた主人公たち。
生きる為に逃げ出し、そこからの逃亡劇と世界の探求が物語の肝と言えます。

ところが『わたしを離さないで』では逃げません。

大きな違いは「食べられる為に殺される」か「臓器提供のために殺される」かでしょう。

臓器提供は人を救う、意義のある行為。それを「使命」と言われて育てば、ある種の正義感が湧くのも頷けます。

勿論それだけでは足りないでしょうし、逃げなかった他の理由については下の記事で解説していますが…

「逃げる」か「限られた時間を受け入れて生きる」か。
結果としてそれぞれの主人公たちは、全く違う道を歩んでいます。

これは『約束のネバーランド』が少年漫画だということも関係しているでしょう。

推理して出し抜いて、生きる為に逃げる。友情は報われるーー…

この爽快さを無くして描くと、少年漫画ジャンルから外れてしまうような気がしますね。

他に似た作品はあるのか?

ここまで二作品の似た要素について考えてきましたが、そもそもこういった

「限定された空間で人間を管理・飼育する社会(施設)を描く」作品は他にもあります。

ディストピアSFというジャンルです。

抑圧的な社会制度や権力構造のもとで生きる人々を描くジャンル。管理施設や監視社会もこの中に含まれます。

理想郷という意味の「ユートピア」を聞いたことがあるでしょうか?
ディストピアは反理想郷。ユートピアの反対語に当たる言葉ですね。

あまりメジャーなジャンルではないからこそ、「この作品はこの作品のパクリ」と考えてしまう傾向はあるようですが、探すと結構あるんです。

以下、有名どころを紹介します。

おすすめのディストピア作品(小説・漫画・映画)

▼侍女の物語(小説)

男性絶対優位の近未来社会で、彼女たちは自由を取り戻すために抗う。

ギレアデ共和国の侍女オブフレッド。彼女の役目はただひとつ、配属先の邸宅の主である司令官の子を産むことだ。しかし彼女は夫と幼い娘と暮らしていた時代、仕事や財産を持っていた昔を忘れることができない。監視と処刑の恐怖に怯えながら逃亡の道を探る彼女の生活に、ある日希望の光がさしこむが・・・・。

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▼五人姉妹(小説

バイオ企業を率いる父によって成長型の人工臓器を埋め込まれた葉那子には、四体のクローンが用意されていた。無事に成長した彼女は、亡き父の想いをもとめ”姉妹”と面会するが……

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▼『輝夜姫』

赤ん坊のときに竹林に埋められていたのを発見されたという謎の過去を持つ少女・晶は、突然2人組の少年に連れ去られ、妖しき天女伝説が残る南海の孤島・神淵島へと連れて来られるが…!? 壮大なスケールで贈る、愛と陰謀と復讐のSF巨編!(14巻完結)

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アイランド(映画)

2019年、リンカーンは大気汚染から救いだされ、完璧に管理された味気ない都市空間のコミュニティで暮らしている。安全で快適だけれど、退屈。ここで暮らす人々の夢は、地上最高の楽園「アイランド」へ行くこと、ときどき行われる抽選会が彼らの最大の関心事だ。しかしリンカーンはある日ふとしたことから、この都市空間の恐るべき真実を知ってしまう。

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社会の“もしも”を極限まで描き切った衝撃作たち。
読後しばらく引きずるのが、ディストピアジャンルの魅力だと思います。
是非気になる作品を読んでみてくださいね。

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