アニメ映画化された小説『トラペジウム』。
しかし検索すると第二ワードに『面白くない』という言葉もあがってきます。
この記事では実際に読んで
トータルすると好きな作品だけど、確かに引っかかる部分があった
と感じた私が、
- なぜ面白くないと思う人がいるのか?
- 物語のどんな要素に不満を抱く人がいたのか?
- 逆に面白いと思った箇所
を個人的見解に基づき解説していきます!
この記事を読んで「自分は気にならないかも…」という方は読んでみても良いかも。
是非参考にしてみてください。
目次
物語の概要
本題前に、あらすじ・登場人物・タイトルのトラペジウムとは?について簡単にご紹介します。
簡単なあらすじ
まず最初に、『トラペジウム』の簡単なあらすじを紹介しておきます。
高校一年生のどうしてもアイドルになりたい女の子・東ゆうが、
城州の東西南北から美少女を一人ずつ集めてアイドルグループを作ろうと企む物語。
的確なあらすじはこれです
4人でアイドル目指す青春ものだよね!と思った方は要注意。
主な登場人物
本当に主要なところだけ、登場人物を紹介します。
東ゆう
東:城州東高校。主人公。
大河くるみ
西:西テクノ工業高等専門学校。ロボット愛。
華鳥蘭子
南:聖南テネリタス女学院。お嬢様。
亀井美嘉
北:城州北高校。整形美人。
トラペジウムとは?
オリオン大星雲の中心に星が多く生まれている場所があり、ここの星の集まりがトラペジウムと呼ばれています。
通常年齢が若く、高温で明るい星を多く含んでいます。
また、ラテン語で「台形」という意味もあります。
タイトル上手いですね。
面白くないと言われる理由は?
ここからは本題である『トラペジウム』を読んでいて引っかかったな~という箇所をご紹介します。
個人的には大きく分けて二つあるかなと思います。
ネタバレが含まれますのでご注意ください。
アイドル育成計画ではない、想像と違うストーリー
「東西南北の美少女を集めてアイドルを目指す」
これを聞くと、4人でアイドルを目指して頑張る青春ものかな?
主人公の女の子がそれを中心となってプロデュースしていくんだろうな…
と想像してしまいますが、これが間違い。
なんとこの主人公、他のメンバーとは「友達作り」として交流を持って行くのです。
となると当然、他の三人はアイドルになりたいと思っていません。
既に目立つ特徴を持った美少女を集めることでグループとして目立つ。
アイドルになるために邪道を責める、主人公の奮闘記と言うのが正しいかと思います。
ちなみに「王道(オーディション)に行かないのか?」にも納得の理由があります
そんな物語の性質上、アイドルを目指す中での青春(オーディションやレッスンなど)を期待している人には肩透かしなストーリーかもしれません。
自分勝手な主人公に共感できない?
前述したようにこの物語の主人公『ゆう』は、
「アイドルになりたくない女の子なんていない」という考えの元、
アイドルへの妄信的な憧れを持って突き進む女の子です。
そして計画的な女の子でもあります。
『友人作り』として美少女三人と仲を深めたゆうは、彼女たちに『一緒にアイドルになりたい』と言うことはありません。
テレビが入る場所に『友達だから一緒にやろう』というスタンスで乗り込み、外堀を埋めてしまうのです。
友だちの誘いを断れないという、同調圧力の利用。
この主人公に拒否感を覚える読者はいるのではないでしょうか?
案の定他の三人は展開についていけず、元から持っていた自信を失い精神的に追い込まれてしまう子も。
主人公はそこにさらに「頑張れ」と追い打ちをかけようとします。
これはどう考えてもやりすぎですね。
他の方の感想を見ても、そんな主人公を「好きになれない」と感じてしまう人は多い模様です。
読みどころは?誤魔化しが上手い女の子のリアリティ
自分勝手な主人公。
しかしだからこそ、「アイドルを目指し、アイドルになる資質」のリアリティは凄く、この物語の読みどころになっています。
正直な人、感受性豊かな人がアイドルになれるのか?そもそも目指し続けるか?と聞かれると…ちょっと分からないもんね
例えば『アイドルになりたい』と事務所に売り込みに行くエピソード。
事務所の人間相手に、『他のメンバーはアイドルを目指してない』という事実を全く感じさせず、話を進めてしまいます。
他にも自分にも不手際があった段取りを、『自分も想定外のトラブル感』をだしてうやむやにするなど、
『嘘を感じさせずに嘘を使う女の子』のリアリティにぞっとしてしまいます。
乃木坂46でアイドル活動をしていた著者の実体験でしょうか……?
夢の為に何でもするって多分こういう事だと。
最初から最終目標がブレることないストーリーに、ある種の感動を覚える作品でした。
まとめ
この記事では、『トラペジウム』が面白くないと言われる理由について独自の意見をまとめました。
要約すると
- アイドルを目指して四人で頑張る話だと先入観で勘違いしがち
- 主人公が自分勝手な面があり、応援できないという不満=面白くないという意見がある
- しかしそれはリアリティを追求すると仕方が無い面でもある
ということでした。
しかし、これを踏まえた上で個人的には一度読んでみて欲しい作品でした。
主人公はちゃんと謝ることができる子ですし、何よりとてもサクサク読めるのも魅力です。
こちらの名言をまとめた記事もご参考の上、気になった方は是非、試し読みだけでも覗いてみてください!
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