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ナオミとカナコは逃げきれたのか?原作結末のその後を考察。相関図も

ナオミとカナコは逃げきれたのか?原作結末のその後を考察。相関図も 小説・実用書

奥田英明さん著作の小説『ナオミとカナコ』読了しました!

『DV夫を捕まらないように殺そう』というストーリーで、2度目のドラマ化すると聞いて読んでみたのですが……面白すぎる……!

最後…結末が気になりすぎて一日で読み切りました。

この記事では、あらすじから結末を解説。結末後逃げきれたのか?を調べも踏まえて考察していきます。

最初に相関図を書いていますので、是非おさらいにご活用ください。

相関図

まずは主要人物の相関図と関係性です。

相関図。
・小田直美(28)……葵百貨店外商部。母がDVを受けているのを見て育つ。同僚は上司の内藤、係長の青木等。達郎に新規顧客として認知症の「斎藤夫人」を紹介したりもしている。
・服部加奈子(28)……夫からDVを受ける。直美とは大学時代からの友人。達郎殺害後は直美の紹介で朱美の会社で働く。
・服部達郎(31)……銀行員。加奈子のDV夫。直美&加奈子に殺害される。
・陽子……達郎の妹。興信所を雇って、兄が行方不明になった要因を本気で追う。
・山本……達郎の銀行員仲間。好奇心から真相を追求しようとする。
・李朱美(リ・アケミ)(37)……上海出身の女社長。厚顔。
直美の勤め先「葵百貨店」の商品を盗んだため、直美が返品要求に行って直美との交流ができる。解決後も相談相手に。直美を気に入っている。
・陳会長……葵百貨店のお得様。
朱美も世話になっているので下手に出る相手。
・林竜輝(りんりゅうき)……通称林さん。朱美の会社で働く店員であり、達郎と瓜二つの密入国者。直美と加奈子は林に協力を要請する。

結末までのあらすじ(ネタバレ注意)

できるだけ簡単なあらすじのおさらいです。

【ナオミ視点】DV夫の排除まで

死体運びに使った遠征バック

葵百貨店外商部の『小田直美』は、大学時代からの友人『服部加奈子』が夫『達郎』からDVを受けていることを知る。

半月に一度落雷のように起こる暴力は、逃げたら家族が殺されると思わせるほどの過激さらしい。

加奈子は直美に「誰にも言わないで」と泣いて懇願した。

直美は悩んだ末、加奈子に「達郎を殺そう」と提案した。

直美をそんな考えに至らせたのは、チャイナタウンの女性社長『李朱美』の言葉だった。

彼女は300万円の腕時計(パティックフィリップのローズゴールド)を盗んでいながら悪びれない、とにかく厚顔な人物だ。

腕時計を取り返しに来た強気な直美を朱美は気に入り、

一方直美も、朱美の厚顔さに尊敬を覚えて付き合いを続けていた。

直美が朱美に加奈子の事を相談すると、朱美は「殺しなさい」と言った。

上海シャンハイなら親兄弟や友人が仕返しすると。

捕まらなくていい方法で達郎を「排除」しよう。死体が見つからないようにしよう。

加奈子も乗り気になり、ミラクルが二人の味方をし、計画は進んだ。
失敗しないよう事前の穴掘りや、念入りなリハーサルも行った。

【達郎の失踪に見せかける計画】

  • 達郎が「顧客の口座から着服し、自分で上海に飛んだ」というシナリオを再現する
  • そのために、達郎のそっくりさんで中国からの密入国者『林さん』に協力を仰ぐ。
    林さんに、認知症の「斎藤さん」の口座から金を降ろさせ(防犯カメラへの工作)、達郎のパスポートで上海に帰ってもらう。
  • 酔って帰ってきた達郎を二人で絞殺して森に埋め、その後「夫は行方不明」で通す。

殺害実行当日、落ち着いていたのは加奈子のほうだった。

【加奈子視点】容疑がかかって逃げるまで

防犯カメラ

予想通り、警察は達郎を「失踪して行方不明」と処理してくれた。

一番の問題は達郎の実家…特に妹の『陽子』だった。

陽子は、防犯カメラの達郎(本当は林さん)に違和感を持ち、引き出した金額が低すぎることにも疑惑を持ち、興信所を雇った。

陽子は達郎のDV癖を知っていたため(元カノと一度トラブっていた)疑いは加奈子に及ぶ。

そして以下のようなことを行い……

  • 警察を立ち会わせてマンションの防犯カメラの確認(当然、達郎の死体を運ぶ加奈子と直美が映っている)
  • 加奈子に盗聴器&発信機をしかける→達郎とそっくりな林さん(約束を破って日本に戻ってきていた)の存在も知る

陽子は真相に辿り着いた。

陽子は「自殺してちょうだい」と加奈子に直談判しに来た。
加奈子は「何のことだかわからない」を突き通す。

加奈子は自分の妊娠に気づき、お腹の子を守って逃げ切るつもりでいたーー……。

警察による任意同行も行われた。任意だが拒否できず、隙を見て直美に空メールを送る。

加奈子は禊だと考えて堪えた。

執拗な取り調べにとぼけ続け、しかし解放されずに焦っていたら、直美が朱美のアドバイスで弁護士を送ってくれ解放された。

二人は上海に逃げることを決める。

結末

羽田空港

荷造りした加奈子のマンション前に直美が迎えに来たところで、陽子が現れた。
深夜から張っていたらしい。

タクシーで巻いてもJR東京駅まで追ってきた。
加奈子のスマホにGPSアプリがインストールされていた。

加奈子は知らない人のスーツケースに自分のスマホを突っ込んだ。
そして成田空港へ向かう予定を変えて、羽田空港に向かう。

二人は無事、出国した。

【考察】結末後、二人は逃げきれたのか?

上海の街並み

無事出国できた直美と加奈子。

二人はこの後上海シャンハイに向かうわけですが、その後逃げ切れるのか?それとも捕まるのか?逃げきれたとして生活できるのか?(ビザは?)などは気になるところ。

続編は無い為、法律なども調べて「その後」を考察してみました。

まず日本警察に捕まる確率ですが、これは日本に戻らない限り低いと言えます。

日本と中国の間には『犯罪人引渡し条約』が存在しません。

この先直美と加奈子が指名手配されたとしても、中国国内で日本警察は二人の身柄を拘束できません。よって、中国の公安当局が協力するかどうかにかかってきます。

こうなると、あまり動きそうにないな……と予想できます。
達郎は中国人ではありませんし、あくまで日本国内での私怨殺人ですからね。

心配なのは不法滞在や就労違反が発覚して、日本に戻されるパターンです。

中国では、外国人の出入国管理・居留管理が比較的厳格です。

なので、逃亡したいならもっと監視が手薄な国・地域を選ぶほうが良いらしいです。

つまり直美と加奈子は、「ビザを取得し、正当に中国に滞在している」と示すか、或いは「不法滞在を知られないように立ち回る」か、どちらかが必要となってきます。

そしてビザは、通常一度日本に戻って取るものです。そんなことしていたら捕まりますね。

結婚するという手もありますが、これも中々ハードルが高い。

「日本で結婚していません」という証明が必要で、ここで加奈子が引っ掛かります。

となれば、身分偽装か戸籍売買か……

日本でもあるので、おそらく中国でも身分証明書の売買(闇取引)はあることでしょう。
朱美さんの伝手があることを願うしかありませんね。

日本の身分売買の闇が描かれた小説:小説『愚か者の身分』ネタバレあらすじ・感想。登場人物相関図も

後は他の国へ行くかです。
その場合は、日本警察への犯罪者引き渡し実績が無い・少ない国から選ぶことになりそうです。

妊娠のことも考えると、中々詰んだ状況。
それでも「この二人なら生き残ってくれる」というイメージが浮かびます。

上海でも「真面目に働く日本人女性」として需要があるはずの二人。

前を向いてどうにか生ききり、寿命を全うしてほしいなと願います。

感想&ドラマ化について

池袋のチャイナタウン

とにかく面白い…!!お膳立てされたようにドンドン手駒が揃う上での突飛なトリック。そしていざという時の朱美姐さん。そりゃこのトリックは、警察も困惑します。

百合というよりは「コンビ」という感じで、「男性に頼らない女性の強さ」を思い知らされたような物語でした。

3分首絞めるところとか、滑車とロープまで準備するところとか本当に……本当に、しっかりした女でした。

怖い。(誉め言葉)

殺人後に温泉旅行を挟む図太さとか、最後まで罪悪感を感じなかったところとかも、男性だった場合信憑性が薄いんじゃないでしょうか?

そして違う意味で怖かったのが陽子です。

実の兄がDV男なのを知っており、「知った時は近寄るのも嫌だった」と言いながら、それを隠蔽したいがために加奈子に「死んでほしい」と言いに来た陽子。

人の心無いんか……?

これこそ本物の悪女というか、怖いと言うよりあっけに取られてしまいましたね。

いやーしかし、二度もドラマ化するだけあると思いました。

一度目は2016年に日本でドラマ化。直美役が広末涼子、加奈子役が内田有紀。けっこう評判は良い方だと思います。朱美役の高畑淳子さんの中国人っぷりが話題になっています。

そして今回(2025年)Netflixコリア(韓国ドラマ)で連続ドラマ化するわけです。

タイトルは『あなたが殺した』。
直美は「ウンス」、加奈子は「ヒス」という名前になるそうです。

こちらも面白そう……主演のお二人美人だな……両方見比べたいと思います。

紹介した書籍▼

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