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イクサガミ|蠱毒黒幕『川路利良』の目的は?時代背景と最後を解説!

イクサガミ|蠱毒黒幕『川路利良』の目的は?時代背景と最後を解説! 小説・実用書

イクサガミにて行われるデスゲーム【蠱毒】。

その黒幕は……明治警察の創設者「川路利良かわじとしよし」です。(実在の人物)

この記事では、川路利良がこんな大がかりなことをした理由(目的)を時代背景も読み解きながら解説。

最後どうなるのか?(生死)についてもまとめていきます。

物語ラストまでのネタバレにご注意ください。

川路利良とはどんな人物?

警察官の帽子

川路利良は、明治日本の警察トップ「大警視」です。

司法省から内務省へ移った警察組織の中で、警保局・警視局を統合するなど、

「日本の警察を創り上げた男」です。

性格面のポイントは、以下の3つ。

  • 曲がったことを極端に嫌い、「虚言」を憎む。
  • 警察を自分の子供のような存在と考えている。
  • 合理的で有能な上司。しかし「処分」は容赦ない。

川路の悲願とこの性格が相まって、『蠱毒』というデスゲームが開催されます。

蠱毒開催の目的は? なんのため?

蠱毒というデスゲームを開いた理由は、一言でいうと「警察の拳銃所持を許可してもらうため」です。

デスゲーム開催までの川路の思考を順を追って解説していきます。

拳銃配備のきっかけを作りたい

警棒

川路が上(大久保利通)に何度具申しても「(警察内の)士族が反乱を起こす危険がある」と言われ…
拳銃配備は却下され続けてきました。

確かに西南戦争後、「もう大規模な反乱は起きない」という意見は分かる……

しかし川路は、部下である警察官の殉職を何度も見てきました。

無法者は刀や銃で襲ってくるのに、何故こちらは棒(警棒)なのか?

しかし、自然発生の「口実」はもう期待できません。

ならば、「東京が震え上がるレベルの事件」を、自分で作るしかない……

捏造ではなく、あくまで「事実」にしたい

警笛を吹く警察官

しかし虚構や捏造をひどく嫌う川路。

「金目当てで大量殺人を起こす凶悪犯が多数出現」を、事実として上に報告したい。

だからこそ、「蠱毒」を開催しました。

蠱毒は、運営側に逃げ道がある作りとなっています

  • 舞台を準備し新聞にて周知を行ったが、あくまで参加は任意である
  • 辞退できる時間も設けている
  • 表向き殺人は強要していないし、失格者は殺すとも言っていない(脅していない)

これにて警察は

勝ち残った者を「金の為に大量殺人を犯したもの」として騒ぎ立てることができます。

(双葉がイレギュラーとなりましたが…)

目的は失敗に終わる

伊藤博文

しかし結論として、川路は悲願を達成できぬまま死んでしまいます。

  • 主人公・愁二郎がヘルプを求めた相手・前島密が川路の企みを見破ったこと。
  • 大久保利通を殺害したため臨時で内務卿になった伊藤博文が、簡単に川路の具申を聞き入れなかったこと

このあたりが原因です。

警察の拳銃配備が許されたのは、蠱毒開催の45年後……大正12年のことでした。

【時代背景】明治警察は拳銃所持が許されていない

拳銃

今では当たり前となった「警察官の拳銃配備」。
明治時代はなぜ持っていなかったのでしょうか?

そして川路は、他の方法で許可を貰おうとは思わなかったのでしょうか?

そのあたりについても解説していきます。

士族の反乱を警戒される

サーベルを持った警察官

イクサガミの舞台である「明治初期」。

このころは士族(元武士)による暗殺・襲撃・放火事件が相次いでいました。

佐賀の乱、神風連の乱、秋月の乱、萩の乱、西南戦争と、大規模な反乱も続発。

士族が多く在籍する警察は反乱を警戒され……

川路が幾度となく具申しても警棒しか持たせてもらえなかったのです。
(一部の階級だけサーベルOK)

しかし、拳銃携帯を許されている組織はあるのです。

  • 陸軍:平民出身中心で、銃の携帯が認められる。
  • 郵便局員:現金輸送・機密文書保護のために拳銃携帯を許される。

郵便局員が許されるのに、警察が許されない。
これも川路の怒りどころでした。

西南戦争の「抜刀隊」が裏目に

抜刀隊

川路は一度手痛い失敗をしています。

それが「抜刀隊」。明治政府が西南戦争のときに臨時に編成した「剣を主力とする特別部隊」です。

非常に強く、日本中から賞賛の声があがったこの部隊。

だからこそ、政府要人は「剣で十分戦える」=「拳銃はいらない」という確信を持ってしまいました。

頑張りが裏目に出たこの結果は、不毛としか言いようがありません。

川路は最後どうなった?蠱毒終了後

外国逃亡のための船

その潔癖性により、きちんと「金十万円」という大金を準備・支払いした川路。

しかし支払ったから終わりとはならず、

東京日日新聞が号外にて「蠱毒の真相」を暴露しました。

蠱毒は「警視局と四大財閥が共謀して作り上げたもの」。

号外を受けて、伊藤博文は警視局や四大財閥本社に軍を密かに派遣し、一味の逮捕に踏み切ります。

これにて川路に出資していた四大財閥の出資者4名は逮捕or自殺。

蠱毒の必要資金を出資していた4人
榊原(三菱)/神保(三井)/諸沢(住友)/近山(安田)

要人を暗殺する「危険分子の一掃」を期待し、資金を提供していた。
(この目的は成功)

しかし川路は突然「欧州の警察視察のため」と称して外遊に出ました。国外逃亡です。

ですが約一年後……

新聞には川路の訃報が。

「本日、大警視川路利良没す。」

「病を患い秘密裏に帰国していたが、治療の甲斐なく病死」というのが公式の説明。

しかし……

何者かに襲撃を受けた可能性があるのだとか。

そして襲撃者は、主人公…愁二郎ではないか?と匂わされています。

関連記事:【イクサガミ】嵯峨愁二郎は最後どうなる?主人公の正体から結末まで

参考書籍:イクサガミ全4巻(Amazon)

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