村田紗耶香さん著作『コンビニ人間』読了しました!芥川賞をとっている作品ですね。
短いけど(kindleで133ページ)面白かった……!
タイトル通りの内容で、気持ち悪さの行きつく先が気になって読み進めてしまう話です。
この記事では
- あらすじ
- 何が気持ち悪いのか?&読書感想
- 考察(主人公はアスペルガーなのか?)
をお伝えしていきます。
あらすじ

コンビニでアルバイトを続けて18年の主人公・古倉恵子。
古倉は自分が人からは理解できない「変な人間」だということを理解していた。
だから妹の助言を参考にしたり、周囲の人を真似ることで必死に社会に溶け込んでいた。
そして、一番溶け込みやすい場所が「コンビニ」だった。
マニュアルが隅々まで存在しており、客対応から話し方・服の選び方まで周囲の人間を参考にできた。
しかし若い頃は良かったが、「36歳でまだ結婚していない」「ずっとアルバイト」という面だけでも奇異の目で見られてしまう。
悩んでいたある日。
新しくアルバイトに入り、素行が問題になって即クビになった男…「白羽」が、
女性客をストーカーしているのを目撃する。
呼び止めて話を聞くうちに、白羽に「彼氏役」をやってもらえば、お互いにウィンウィンではないかと気づく。
シェアハウスを追い出されて行くあてのない白羽を家に招き、それを妹に伝えてみると反応は上々だった。
古倉は白羽を「飼う」ことにした。
しかし一緒に住んでいることを店長にうっかり零してしまったことで「辞めるのが当然」という空気になり…
古倉はコンビニバイトを辞めた。
店員を辞めると何もする気にならなかった。
しかし白羽は嬉々として古倉の履歴書を送り、古倉は派遣の面接を受けることになる。
向かう途中コンビニに入った。そこで古倉は久々にコンビニの声を聞いた。
店員の手が回っておらず、棚の並びも古倉のお眼鏡に叶うものではない……
古倉はその縁もゆかりもないコンビニの商品を並び替え、困っていた店員にアドバイスを送った。
スーツ姿であるため社員だと勘違いされ、感謝された。
その奇行を見た白羽に引きずり出されたが、「自分はコンビニ人間という動物だから、あなたは必要ない」と手を振り払った。
初めて自分が意味のある生き物だと思えた。
この物語の『気持ち悪い』魅力について(感想)

自覚のある変人が主人公のこの物語。
- コンビニのバックルームで同じ三十代女性のポーチを盗み見て
- 化粧品の名前とブランドをメモ
- そのブランドを好きな人が迷っているブランドで、自分のものを購入(パクリがバレないように)
と素行を見ればかなりヤバいやつです。
ミホが頷く。ぐっすりと眠るミホの子供を見つめるサツキを見ていると、二人の子宮も共鳴しあっているような気持ちになる。
上記のように、独白も時々気持ち悪い。
しかし「白羽」という別の変人が登場することで、主人公が「気持ち悪い」で終わらないのが本作。
「変人」VS「変人」の構図が面白いんです。
- 古倉のほうが明らかに突き抜けている…サイコパスに足をかけた変人であることが確定している
- 古倉は真面目な変人で、白羽はクズな似非変人
というところが、爽快感を生む展開すら作り出します。
例えば白羽の葛藤。
古倉の合理的過ぎて気持ち悪い提案にドン引きしているものの、自分の未来が暗いことを自覚しているため「いや…提案を受け入れるべきか…?」みたいな葛藤がでる。
それが、古倉に飲み込まれていくようで楽しすぎました。
ラストも突き抜けていて、とても清々しくて好きな作品です。
クズい白羽の魅力

この物語を面白くするのが、クズ男「白羽」。
縄文時代を持ち出して男女を語る、おそらく童貞の金借りパク男。
一番盛り上がるのは、このクズ男がついつい「常識人」をしてしまう所でしょう。
「餌をやらなきゃ」と妹に失言した古倉に対し「自分が悪くて怒っているだけ」と、とりなしてしまった白羽。
コンビニで奇行に走った古倉を必死にとめる白羽。
自分より焦っている人がいると逆におちつくと言いますが、
自分より変人がいると逆に常識人になる…ということもあるのかもしれません。
この後、本物のサイコパスを見た白羽はどう行動するのでしょうか…?
もしかしたら、こんな異常な人間に寄生するより真面目に働いた方がマシだと思い直すかもしれません。
そうではなくとも流石に何か、しばらく休息していたことも含めて、良い方向に転がる可能性はあると思います。
【考察】主人公はアスペルガー?

「コンビニ人間」で検索すると「アスペルガー」と第二検索ワードがでてきます。
これは主人公・古倉はアスペルガーなのではないか?という疑問を持つ人がいるということです。
アスペルガーとは?
現在は自閉症スペクトラム症に統合。古倉がもしそうなら
✔相手の表情や空気を読むのが苦手
✔暗黙のルールや冗談を理解しづらいことがある
などという条件に当てはまる
しかし私は、(医学的な事は分かりませんが)正直そんなワードは思いつかずに最後まで読み切りました。
ただただ「元々周囲と価値観がかなりズレていて、他人と自分との違いを擦り合わせるのが苦手な人間」なんだなと思っていました。
実際、きわめて普通な考え方もする人物です。
「コンビニで働き始めて、褒められて居場所があると感じた」古倉。
上手くやっていける場所に長く居続けることは、何もおかしなことではありません。
バイト初日の社員の反応で、続けるか辞めるか決める。往々にあることだと思います。
そして突飛な面についても、もし古倉のリードを握ってくれる人物がいれば、どうにかなったような気がするのです。
例えば子供時代、公園で死んでいた雀を「食べよう」と言った古倉。
母親は感情的な共感「可哀そうでしょ?」を娘に求めましたが、それは難しそうでした。
ならば
- その辺の雀を食べるとサルモネラ菌があるかもしれないこと
- 鳥獣保護管理法で違法になることがある
などを伝える事ができていたら……
博識で常識を補う人間になっていた可能性もあるのではないでしょうか…?
まぁ今のままでも私はぶっ飛んでて好きですけどね!
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