このサイトではAmazonアソシエイト・アフィリエイトプログラムを使用しています。

小説『ストロベリームーン』ネタバレと感想。萌と日向の純愛の結末は?

小説『ストロベリームーン』ネタバレと感想。萌と日向の純愛の結末は? 小説・実用書

芥川なお著作の恋愛小説『ストロベリームーン』読了しました!

高校一年生の二人の純愛、余命半年の切ない恋路。
2025年10月映画化作品です。

この記事では『ストロベリームーン』の

  • ネタバレあらすじまとめ(結末まで)
  • 個人的な感想

をお届けします。

ネタバレあらすじ(結末まで)

サクラ舞い散る入学式

高校の入学式の日、遅刻した佐藤日向に声をかけてきたのは、同じクラスの桜井萌だった。

天真爛漫な彼女は一気に距離を詰め、出会って三時間で日向に告白。
あっという間に交際が始まった。

二人は「萌ちゃん」「日向くん」と呼び合うようになる。
しかし、会えるのはほぼ学校だけ。土日は会えない、門限は七時、電話も二十分まで。
制限だらけの恋は、萌が余命半年の病であるためだった……

5月27日の学園祭。萌が「ひっそりと学校のどこかに名前を残したい」というので、美術室の古い本……向日葵の写真集に相合傘を描いた。

一日だけできた休日デートではパンケーキを食べ、水族館へ。
日向がプロポーズっぽいことを言うと、萌は「末永くよろしく」と答えた。

高校の6月のプール

そして迎えた萌の誕生日である6月4日。日向は友人の協力でプールに萌を呼び出し、サプライズを仕掛ける。
プールに落ちた日向に、普段は体育を見学していた萌も水に入った。
プレゼントのピンキーリングを受け取った萌は、それを棺まで持って行こうと考えた

夜には二人でこっそり公園へ行き、ストロベリームーンを見た。

ストロベリームーン

ストロベリームーンは、赤く丸い見た目からか、苺の収穫が6月だからかそういう名前がついた満月のことだ。
「好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれる」という迷信もあり、萌はそれを信じてみたいと言う。

しかし翌日から、萌は学校に来なくなった。
教師から「入院している」という情報だけ手に入れた日向は、友人たちと病院を一軒一軒回る。

そしてついに隣の市の心臓内科の病棟で萌を見つける。
母親は日向の必死さに折れ、見舞いを許した。

入院病棟

日向は毎日病院に通い、萌を喜ばせようと工夫した。蛍を持って行き、病室から見える場所に花火を仕掛けた。
だがそこで知る。
萌の病は「重度の拡張型心筋症」。移植も手術も不可能で、余命はわずか一、二か月。

実は萌は中三の秋に余命一年を宣告されていた。
そしてその日に町で見かけた日向に恋をした。
だから再会した入学式の日、偶然を奇跡と信じて告白したのだ。

7月28日。病院からの呼び出し。ICU(集中治療室)にいる萌。
萌の「将来は幸せな家庭を築いてほしい」「あと七十年生きて」という日記を見て、日向は向日葵三百本を集めて届けた。
花言葉のように「変わらぬ想い」を告げ、初めてのキスを交わす。その直後、萌は静かに目を閉じ……
萌は息を引き取った。

8月15日、廃人のようになっていた日向を、萌の母が呼び出した。
そして生前の萌からの誕生日プレゼントである「絵」を日向に見せた。
「あなたの幸せな未来」。
笑顔の四人家族…子供がいる夫婦が描かれた絵。それは「素敵な人を見つけて幸せになってほしい」という萌からの願いが込められていた。

病院の屋上から見えるストロベリームーン

しかしそれから十一年。
医師となった日向は、ストロベリームーンの夜にその絵を思い出す。
幸せそうな家族の隣に立つ女性は、やはり萌だと思えてならない。
向日葵の写真集とピンキーリングを手に、彼は今も変わらぬ想いを抱き続けている。

登場人物

佐藤日向萌の彼氏。11年後は外科病棟で働く医師。
桜井萌日向の彼女。余命宣告されている大病持ちの美少女。
川村健司(カワケン)
福山凛太朗(フーヤン)
日向の小学校からの悪友。
高遠麗(うらら)日向の幼馴染。日向に片思いしており、小学生の時に貰ったキーホルダーを大切に持っている。

感想

向日葵の花

大人が読むには少し甘酸っぱすぎるかもしれませんが、それほどまでに王道中の王道を貫いた恋愛物語でした。
思った以上に一直線。けれどその真っすぐさが「特大の恋」を描き切っていて心を打ちます。

特に良い意味で予想を裏切ってくれたのは、日向の「好きな人のためなら何でもする」という姿勢。
怒られることも厭わず、ただ「萌の幸せ」だけを考える。そんな日向は格好よくて、萌が例えこの先何十年生きたとしても、彼以上はいなかっただろうなと思わせてくれます。

正直、最後はご都合主義でもいいから奇跡が起きてほしいと期待してしまいましたが、現実は残酷ですね。病気というものはどうしても抗えない。

それでも高校一年生の二人が、与えられた時間の中で全力で楽しみ、生き切ったことが伝わる終わり方でしした。

また、余命を知っていたからこその萌の行動力――出会って3時間で告白する大胆さなどをみると、自分の時間に使い方について考えさせられますね。
萌よりも長い生に甘んじてダラダラとしていることに罰の悪い気分になります。

日向は11年経った「現在」も萌だけを愛し続けている。その姿に対して、萌は何を思うのでしょうか。

日向が「一生分の恋」に満足し、今は医師として他者に尽くす人生を選んでいるのだとしたら――萌なら悲しみもありつつ、やはり嬉しいのではないかと思います。

ちなみにこの物語には続編が。
日向が萌の死を経て廃人のようになった頃から、幼馴染の高遠麗の視点で描かれる物語。

日向に片想いし続けてきた彼女が、どう日向を支えていくのか?
11年経っても萌への想いを抱き続けている日向なので、麗の想いが報われないことは分かっていますが……11年の過程を知りたい人は、ぜひ読んでみてください。

紹介した書籍▼

コメント

タイトルとURLをコピーしました