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十角館の殺人ネタバレあらすじ解説。何がすごい?怖い?読書感想も

何がすごい?十角館の殺人ネタバレあらすじ&感想。結末まで解説 小説・実用書

この記事ではドラマ化もした綾辻行人著作『十角館の殺人』(原作小説)について完全解説!

  • 結末までのあらすじをネタバレ解説(図解イラストあり)
  • どこが絶賛されているのか?逆に期待外れと言う人の意見とは?
  • 個人的な感想(怖い?)
  • 作品概要(続編やシリーズについて)

を紐解いていきます!

『十角館の殺人』ネタバレあらすじ解説

『十角館の殺人』はどういったストーリーなのか?
あらすじ内容を、ラストまでネタバレ有りで解説します。

W**大学のミステリ研究会7名が無人島に

1986年、3月下旬。

本土から約5kmの場所に浮かぶ小さな島……角島つのじまにやってきた、W**大学のミステリ研究会の面々。

ヴァン・エラリイ・ルルウ・カー・ポウ・アガサ・オルツィイラスト

(ミステリ研の慣習からあだ名で呼び合っている)

7人はこれから一週間、本土と連絡のとれないこの無人島で生活する。

なぜ無人島合宿をすることになったのか?

それは、彼らが角島で起きた昨年9月(半年前)の未解決事件に、強い興味を持ったからだ。

かつて角島には、建築家『中村青司せいじが自ら建てた『青屋敷』に、妻や使用人たちと一緒に住んでいた。

しかし9月に、青司・妻・使用人夫婦は殺され、青屋敷が炎上する事件が起こったーー……

この事件は犯人は分かっていないが、庭師が一人行方不明となっている。

9/20(半年ほど前)角島青屋敷全焼。
中村青司(十角館建築)
妻・和枝
使用人夫婦
上の四名は死体で発見(殺人?)
庭師・吉川は行方不明。

ちなみに7人が滞在するのは、十角館じゅっかくかん

こちらも青司が建築した、名前の通り十角形の建物だ。

『ヴァン』の伯父が手に入れたもので、ヴァンが住めるように、先に来て設備を整えてくれていた。

角島▼

角島の立体図
下側にボート小屋、その斜め上に十角館、左は岩場となっており、中心付近に青屋敷跡がある。
近くに小さな島「猫島」がある。

本土にて怪文書(手紙)がばらまかれる

一方、ミステリ研究会を去年退会した江南かわみなみ孝明』の元に妙な手紙が届いた。

差出人は「中村青司」であり、

「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」

と書かれていた。

江南は「千織」というのが、昨年1月、ミステリ研新年会の三次会で急性アルコール中毒になり死亡した中村千織であり、

青司はその後の9月、角島・青屋敷全焼のニュースで見た建築家ではないか?

死者からの告発……?

江南は現ミステリ研のメンバーの家に電話し、現在角島に行っていることを知る。

そして、千織の叔父である中村紅次郎に話を聞きに行った。

青司の娘=千織
青司の弟=紅次郎

紅次郎の元にも、少し文面が変更された怪文書が届いていた。

しかし紅次郎は、青司が死んでいるのは確実だと言う。

江南はその場にいた『島田』という男と、引き続き調査することに決め――……

現ミステリ研メンバーでありながら、旅行を断っていた『守須』を訪ねた。

本土で角島の事件を探る面々
・江南(元ミステリ研)
・島田
・守須(ミステリ研)

案の定こちらも怪文書が届いており……

三人で推理を進めた結果、青屋敷事件で行方不明となった庭師の妻を訪ねることが決まった。

※尚、守須は描きたい絵があるらしいので別行動

詳しい登場人物の記事へ

【2日目】悪趣味なプレート

第一の被害者・第二の被害者・第三の被害者と書いてある白いプレート

十角館に滞在する7名は、2日目の朝、テーブルに奇妙なプレートが置かれているのを見つけた。

  • 第一の被害者
  • 第二の被害者
  • 第三の被害者
  • 第四の被害者
  • 最後の被害者
  • 探偵
  • 殺人犯人

まるでこれから殺人事件が起こるかのような、悪趣味な悪戯……

しかし、誰も自分がやったとは名乗り出ない。

【3日目】2人死亡

昼近く、アガサがオルツィの部屋に『第一の被害者』のプレートが貼られているのを見つけ、悲鳴をあげた。

扉を開けると、そこには絞殺されたオルツィの死体が……

オルツィはなぜか左手首も切り取られていた。

さらにその後……コーヒーを飲んだカーが倒れた。

毒を疑い吐かせたが、翌日午前二時半、カーは亡くなった。

カー

「実は生きている中村青司が犯人なのでは?」という意見も出るが、犯人がこの中に居る可能性もある……

皆、疑心暗鬼に陥る。

【4日目】犯人捜しするミステリ研

不穏な雰囲気のバスタブ

朝、バスタブの中にカーの左手首が落ちていたらしい。

犯人があの後切り離したと思われるが、いったいなぜ?

エラリイは青司が隠れ住んでいるかもしれないと、青屋敷の焼け跡から地下室を探しだした。

そして貼られていたテグスに引っかかり、地下室に落ちた。足を挫いたらしい。

地下室には取り立てて何もなかったが、一部掃き清めたように埃が無い場所があった。

他に誰かがいるのでは?という疑いが強まる。

その後、アガサが状況に耐え切れずヒステリーを起こし……

ポウが持っていた睡眠薬を配り、19時に解散となる。

【4日目】本土で青屋敷事件の真相発覚

一方、昨日庭師の妻の話を聞きに行った島田たちは

「千織は青司の実の娘ではなかったのでは?」

と推論をたてた。

そしてそれを直接、紅次郎に確かめに行った。

紅次郎は誤魔化しきれないと悟り、真実を話した。

  • 半年前の青屋敷全焼は、『中村青司』の一家心中事件である
  • 動機は妻・和枝の気持ちが紅次郎にあるのでは?と考えての嫉妬(使用人たちはとばっちり)
  • 紅次郎は青司から電話で上記を聞いており、和枝の左腕を送りつけられていたが醜聞を恐れて黙っていた
和枝と紅次郎の不倫の末生まれたのが千織。
青司は嫉妬で殺害した。

【千織の死が悪作用】
1月に娘・千織が死亡
➡青司は自分と妻のつながりが切れ、妻の関心が紅次郎に移ったと思い込んだ
➡9月に一家心中

しかし怪文書の仕掛け人は紅次郎ではない。

【5日目】3人死亡

一晩寝て正気に戻ったアガサは、気合いを入れる為に濃い色の口紅を塗り……

そこに青酸が塗ってあったため死亡した。

アガサ

洗面所で倒れているのを、ヴァンが発見した。

さらにルルウも殺されていた。

ルルウ

明朝「二人はなぜ殺されたのか?」と意識を巡らせていたルルウは、昨日崖下の岩場に何かを見た気がして……

外に出て、犯人を目撃し、撲殺された。

残るエラリイ・ポウ・ヴァンが死体を発見し、屋内に運び入れた。

それぞれが殺害された方法について考える三名。

エラリイはカーが毒を摂取したコーヒーカップが、一つだけ十一角形だったことに気づいた。

十一角形

そしてルルウを襲った時の足跡から、「犯人は海から来て海に戻った」と推理した。

つまり中村千織の父である中村青司が近くの島に潜伏しており、船を使って殺害に来ているのだと。

そこで、煙草を吸っていたポウが死んだ。

ポウ

煙草に青酸が入っていた。

エラリイは十一角形のカップこそが部屋の扉を開く鍵で、11番目の部屋があるのでは?と言い出した。

そしてその予想は当たっており、台所の収納庫の底板に十一角形のコップをはめて回すと……

隠し部屋が現れた。

ホールの下の部屋。

エラリイは、青司がここに隠れていたという確信を深める。

しかしそこで…二人は半ば白骨した庭師の遺体を見つけた。


この日、十角館は火の手をあげ、燃える様子は本土からも見えた。

本土から見える十角館が燃える様子イメージ

全員死亡の知らせ&衝撃の一言

黒電話

守須の元に、十角館の持ち主である伯父から

「十角館が全焼し、角島に渡った全員が死亡した」

と電話が入った。焼け跡から全員の死体が発見されたと……

角島に近い町で、警察から事情を聞かれる江南・島田・守須。

島田の兄である警部は、一人だけ自殺とみられている者がおり、彼が他の人間を殺したのかもしれないと言う。

それが松浦純也…エラリイだと。

エラリイ

彼らが全員海外作家の名で呼び合っていたという話になり、君たち(江南&守須)にもあるのか?と興味を持った警部。

江南はコナン・ドイルだったと話し、守須は……

ヴァン・ダインだと明かした。

トリックと真相

ミステリ研の「6人」を殺したのは、ヴァンこと守須恭一だった。

守須は周囲に対して「自分は角島にはいかない」と言い

モーターボートで行き来することでアリバイ工作をしていた。

モーターボート

動機は、6人が新年会三次会で、恋人の千織をアルコール中毒死させたこと。

きっと無理強いして飲ませたのだろうと……

しかしオルツィを始めに殺したのは、千織の友人だからだった。

これからの悲惨な現場を見せないため。

さらにオルツィが千織の形見分けとして貰っていた、守須のイニシャルも入っている指輪を回収するためだった。

金色のペアリング(守須と千織がつけていたもの)

しかし死体から指輪は取れず、左腕ごと切り取るはめになり……

カモフラージュとして、カーの腕も切ることとなった。

他にも雨漏りが酷い部屋に滞在したり、水断ちして風邪に似た症状を引き起こしたり、殺人に嫌気がさして投げ出したくなったこともあったが……

守須の忙しすぎるスケジュール解説

どうにか全てやりきり、最後にエラリイに睡眠薬を飲ませ、十角館に火をつけた。

物語の結末

エラリイが犯人とみられ、逃げ切り濃厚だった守須。

島田は感づいているような雰囲気を見せているが、それでも警察にリークするつもりは無さそうだった。

しかし…波打ち際で、守須は犯行前に自分が海に流した小瓶を見つける。

守須が流した小瓶

自分の良心…犯罪計画をそのまま書いた紙を入れた、小瓶が戻ってきた。

これが生命を生み出す海の審判ならば。

守須は自首を決めた。

▼もっと詳しく結末解説

【解説】何が凄い?期待外れという意見も?

スタンディングオベーション

『十角館の殺人』は1987年に公開された作品ですが、ミステリの「傑作」として現在でも愛されています。

2026年本屋大賞ノミネート作『探偵小石は恋しない』でも主人公が「ミステリの世界にどっぷりつかるきっかけとなった作品」として挙げていますが、

やはり「十角館」は、ミステリを好んでいるとちょこちょこ登場するタイトルなのです。

では、本作のどのあたりが評価されているのか?

やはり有名なのは「衝撃の一行」…「ヴァン・ダインです」でしょう。

下の記事で解説していますが、衝撃と興奮、混乱を与えてくれる展開どんでん返し。

インパクトが最高です。

さらにラスト一行も新鮮です。

エラリイ・島田という二人の探偵が登場しましたが、

犯人はそのどちらの影響も受けることなく結末を決める……斬新ですよね。

ですが一方で、「期待外れ」「過大評価」と言う方もいます。

絶賛の声が大きすぎる反動もあるのでしょうが、

確かに疑いに疑いながら読む人からすると、江南の誘いを断り一人で絵を描こうとする守須の行動は、怪しく写るため目を付けていたでしょうし、

動機の面でも納得できない部分はあると思います。

千織が死んだ場にいた全員を……絶対アルコールを無理やり飲ませるタイプではないオルツィまで殺してしまうなんて……

そんなのはどうなのかなぁと思ってしまいますよね。

批判したり、面白くないという感想を持った方はそこが引っ掛かったのかなと思います。

【感想】怖すぎるクローズドサークル

床に落ちたアガサの口紅

クローズドサークルでの連続殺人。死に方がエグイところがまた……精神を容赦なく削る描かれ方だったと思います。
いや、なんでそんな落ち着いてるのエラリイ…と、ずっと思っていました。

アガサなんかは死に化粧なんて言われていますが、

ポウが「見ない方がいい、見せられない」と判断したオルツィの絞殺で苦しみながら死んだ顔とか……

そしてカー。彼ですよ……

目の前で痙攣して、吐いて、日付越えて2時半まで苦しんで、醜く死んでいく……

スマホどころか電話すら無い為、救急車どころか対処を調べることもできない精神的負荷、やはり発狂モノです。

なのに!なんで君たち別の部屋で眠るの…!

全員一緒の部屋でずっと過ごせばいいじゃないか!ねぇ!!

あと、この作品には『殺人犯』が二人出てくるわけですが、

二人とも「悪いことをしていない(かもしれない)人間」まで手にかけるんですよね。

思考が強く、他人の影響を受けない。しかも完遂するパワーや知力があるので、そういうのと一緒に逃げられない環境に閉じ込められていると考えると……

いやぁ、ゾッとします……

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