『イクサガミ』の主人公・嵯峨愁二郎。
妻子持ちで双葉を見捨てられないお人好しながら、『刻舟』として幕末に名をはせた人物でもあります。
この記事では、嵯峨愁二郎の正体と最後どうなったのか?その生死について解説していきます。
ネタバレが含まれますのでご注意ください。
嵯峨愁二郎は最後どうなった?

愁二郎は物語の最後どうなったのか?
蠱毒で生き残り、金を手に入れて妻子をコレラから助けられたのか?
結論から言いますと、
おそらく生きており、妻子と集落の者たちを救う事ができました。
「おそらく生きている」というのは、どういうことか?
これは、蠱毒終了後一年近く、双葉が愁二郎の生死を確認できていない…ということです。
しかし唯一の勝利者となった双葉は、当然愁二郎の妻「志乃」にも一万円(賞金の1割)を送金しました。
その金により、志乃は危ない状態だった息子「十也」と、コレラに罹患した集落の者たち(愁二郎は49人と言っていた)を救うことができました。
蠱毒終了時に天明刀弥と戦う

双葉が愁二郎と別れたのは、蟲毒の執着地「寛永寺の黒門」です。
愁二郎はタイムリミット時、門の外で天明刀弥と戦闘していました。
双葉は警官たちが押し寄せていたため、黒門をくぐった後「駅逓局」に保護され、愁二郎から引き離されました。
天明刀弥は、蟲毒における戦闘面でのラスボスです。
「強者が集まってくる」と、双葉に強い興味を抱く無邪気なイカれ野郎。
愁二郎の義兄弟・四蔵を討った敵でもあります。
愁二郎は四蔵だけではなく、義兄弟全員の想いと京八流奥義を引き継いで刀弥と戦闘。
「こいつ(刀弥)に門をくぐらせたくない」という想いが強く、タイムリミットを無視して闘い続けました。
尚、この戦闘で愁二郎は「イクサガミ(戦神)」に至ったと思われ、勝利した可能性が高いです。
大久保利通の敵討ちをしていた?

蠱毒終了から一年近く、双葉は愁二郎の行方・生死を知りませんでした。
しかし双葉が「蠱毒で世話になった人たちへの賞金配り旅」を終えた約一年後。
蠱毒主催者である大警視・川路利良の死亡が報じられます。
病死とのことですが、「襲撃を受けた」という情報もあり、これを「愁二郎ではないか?」と考える双葉。
川路は大久保利通に、人斬り半次郎を差し向け殺害しました。
大久保にお世話になっていたため、かなり落ち込んでいた愁二郎。
故に「愁二郎が敵討ちをしたのではないか?」と考えるのは妥当です。
さらに東京の雑踏の中、愁二郎の背が見えた気がした双葉。
この後「嵯峨志乃」に会いに行く双葉は、もしかすると会えるかもしれませんーー……。
嵯峨愁二郎(刻舟)の経歴

嵯峨愁二郎にはどのような過去があったのか?経歴をまとめてみました。
| 時期・年齢 | 出来事・経歴 |
|---|---|
| 幼少期(0〜) | 五条大橋の袂に捨てられ、師に拾われる。師が「嵯峨愁二郎」と命名。鞍馬山の山中で育ち、剣術「京八流」を修行。 |
| 少年期(〜15歳) | 奥義「武曲」を教わるも、継承戦を拒否して山を降りる。 |
| 15〜16歳 | 土佐藩に身を寄せる。 剣の腕を売り込み土佐藩の脱藩浪人の一人として雇われる。勤王派の混乱期(岡田以蔵の処刑・粛清)に遭遇。 |
| 16〜17歳 | 薩摩藩に紹介され、京都の薩摩藩邸に入る。 大久保利通の護衛任務も。 |
| 17歳頃 | 薩摩藩が招いた前島密(開成所講師)を護衛。三度の襲撃を受け、延べ十一人を斬り前島を守る。 |
| 17〜18歳 | 戊辰戦争に薩摩側として参戦。上野戦争にも出陣。 |
| 19歳〜 | 剣を捨て、前島密の誘いで郵便局員(駅逓局)として勤務。東京を巡回し地理に詳しくなる。 |
| 21歳前後 | 神奈川県府中へ移住。医師・志乃と結婚。志乃は女性医師として町医者を営み、愁二郎も共に地域に尽くす。息子・十也が誕生。 |
| 28歳(明治11年・蠱毒開始時) | 妻子が虎狼痢(コレラ)に感染。 救うため、再び剣を取る決意を固める。「刻舟」としての過去に戻る。 |
| 29歳 | 蠱毒終焉後、消息不明。 |
双葉を見捨てられなかったことからも分かる通り、基本的にお人よしな愁二郎。(但し戦時は異なる)
岡田以蔵の後釜として採用されたり、大久保利通から「刻舟はまだ達者だったか」と覚えられている結構大物です。
義兄弟仲も良好。
参考:イクサガミ|奥義『京八流』を解説!継承戦の真実と最終持ち主
妻の志乃とは?

愁二郎に「剣以外の生き方」を教えた存在である、妻の「志乃」。
どのような人物なのか?簡単にまとめるとこんな感じです。
- 京都の医家の一人娘。200年以上続く医者の家系に生まれる
- 十歳の頃から医術を学び始める。緒方洪庵の教えを受けながら商家に居候して勉学
- 明治初期、神奈川県府中で町医者として開業(当時珍しい女性医師)
- 無料診療を行い、貧しい人々を救うため私財を投じるも底をつきる⇒愁二郎蠱毒参加へ

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