呉勝浩さんの小説『爆弾』の続編『法廷占拠 爆弾2』読了しました!
前作読了後1週間たたずに読み終えましたが、これが正解でした。
絶対登場人物覚えているうちに読んじゃった方が良いです。前作のキャラ総出と言っても良い構成です。
ミステリーとしても「そんな展開にしちゃっていいの…!?」という感じで満足!期待を裏切らない作品でした。
以下ネタバレあらすじ&相関図・感想になります。
ネタバレあらすじ解説

爆弾犯『スズキタゴサク』の裁判は大人気。会場である104号法廷はいつも席が埋まっていた。
5回目の公判日であるその日、倖田沙良と伊勢勇気は捜査関係者として証言する予定だった。
しかし会場でテロが起こる。
一連の爆弾事件で亡くなった「遺族会」のメンバー「柴咲」は、骨壺に拳銃を隠して持ち込み、104号法廷を占拠した。
法廷で柴咲は100名弱の人質をとり、警察と交渉。
殴られ役として倖田を指名し、死刑囚の死刑執行を要求、配信を要求、水と食料を要求、殺しはしないが尊厳を踏みにじり、時に人質を解放するーー……
柴咲の目的が見えぬまま衆人環視の中で交渉するのは、特殊犯係で清宮の後釜となった高東。そして傍に控える類家だった。
しかし柴咲を刺激するわけにもいかず、後手に回る警察。
共犯の湯村に盗聴器を仕掛けられており、急襲作戦も失敗に。
柴咲は104号法廷を爆破し、人質を逃がした上でスズキ・倖田を連れ逃げてしまう。
柴咲は真の目的である「遺族会メンバーへの身代金要求」を完遂しようとしていたーー……。
ところが柴咲、共犯の男、運転手、スズキ、倖田が乗る逃亡車。
「類家」という言葉を聞いたスズキがしゃしゃりでて、一行は山奥で様子見することになる。
そこでスズキが動いた。
柴咲を挑発し、空砲だと思っていた共犯の男を自身の身代わりに殺害させる。
そして柴咲・倖田と共に崖を転がり落ち、銃を打てない柴咲をボコボコに。
スズキは「まだちょっと生きたくなった」と言い残して逃亡した。
柴咲と、身代金受け渡しを担当していた新井は捕まった。
高東は類家と倖田を、特殊犯係で面倒を見るつもりでいる。
法廷占拠の登場人物(ネタバレ相関図)


参考に、前作の相関図はこちら↓

感想

倖田視点はキツイって…!!というのが第一印象。
「殴られたくないもう嫌」「警察だから殴られるのも仕方ないって考えている人は何人いるのか」……そんな心情がもう…しんどすぎましたね。分かるんですけど。
交番勤務職からはみ出しまくった酷い巻き込まれ。前作の等々力みたいに感覚が鈍いほうが、心的疲労なく読みやすいっていうのはありますよね。
さてスズキタゴサクですが…やってくれました。なんと逃亡!!これは予想外です。
法廷内では比較的大人しくしてたんですよね。
それが「類家」という言葉が出たところで急に犯人グループの主導権を握り出して、その話術は倖田も感服するほど。
ここからは独壇場でした。
柴咲が人を殺せないことも、倖田がGPSを持っていることも、犯人グループが一万岩ではないことも、類家からこのグループだけでは逃げられないことも、倖田が銃を撃つことも、それが空砲だということも…
全部見抜いていた…!
これが格の違いというやつです。犯罪者なのにそりゃファンクラブ的なものもできちゃうわけです。
逃がそうとするやつもでてきちゃうわけです。
そして、ということはですよ…?
まだ続編がありますよね?
警察負けっぱなしで終わるのはダメな気がしますもんね。スズキ捕まえないとね!
まだ爆弾を持ってるかもしれないし……▼
何だかスズキのことばかり書いていますが、今回の犯人である柴咲も熱いやつで、それなりに魅力がある人物でした。
やってることは酷いんですが、「手にするお金は全部友人のために」。
これで顔をさらして犯罪するんですから大したものです。
配信で流された彼の訴えは、ラガーさんとか結構響いていますし、捕まったとしても残したものはあったと思います。
そして類家。彼は人質とか取られている時に向きませんね。
「舐められたらいけない」と言う状況に強くても「怒らせたらいけない」という状況でこいつは出したら駄目だなという(笑)
他にも書きたいことはあるんですが…矢吹とか伊勢とか湯村さんとか……
でもこの辺にしましょう。長くなるので。
前作の『爆弾』が楽しめたなら本作も楽しめる内容となっています。
気になった方は是非購入してみてください。
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