このサイトではAmazonアソシエイト・アフィリエイトプログラムを使用しています。

瀬尾まいこ『ありか』ネタバレあらすじ&感想。タイトルの意味も

瀬尾まいこ『ありか』ネタバレあらすじ&感想。タイトルの意味も 小説・実用書

この記事では、瀬尾まいこさんの小説『ありか』について以下をお届けしていきます!

  • 登場人物相関図
  • あらすじ解説(ネタバレ部分折りたたみ)
  • タイトルの意味考察
  • 読書感想

毒親との決着や、シングルマザーとして娘を育てる主人公の母として愛情。

そして「血のつながりが無くても支えてくれる人たちの温かさ」などが描かれた作品です。

登場人物相関図

主人公・美空(26歳)と奏多の子供がひかり(5歳)。二人は離婚している。
奏多の弟・颯斗くんは、ひかりの世話をやきに来てくれる。
颯斗くんは林田さんと同棲している。
美空の母は離婚している。美空は母が怖い。
三池さんは美空のママ友。彼女の子供、そら君はひかりの友達。
他、美空の職場の人、宮崎さんなどが登場する。

◎あらすじ

ひかりが選んだランドセルイメージ。茶色のランドセルで、ピンクの縁取りなどが入っている。

『美空』は5歳の女の子『ひかり』をシングルマザーとして育てる母親だ。

浮気した夫『奏多』とは離婚したが、奏多の弟『颯斗君』は毎週水曜日に、ひかりの世話を焼きに来てくれる。

ところが、自分と同じく女手一つで見空を育てた実母は……

自分が親になったからこそ確信してしまう、母親の「押しつけがましさ」と、自分が子供時代不幸だったということ。

さらに

  • 母親の金の無心(毎月10万円)
  • ひかりが鼠経ヘルニアになり、手術しなければいけない
  • 小学校にあがるひかりに「自分は必要ない」と、何も言わず疎遠になろうとする颯斗

という問題も……

親子とその周囲の愛情が描かれる、呪縛と幸せの物語。

  • 叔父である颯斗君が週一度、幼稚園のお迎えに行くようになった経緯
  • 男性と同棲している颯斗の葛藤(自殺未遂や保育士の道を断念した過去)
  • 毒親のくそばばあっぷりと、決別(ハッキリ金銭援助はできないと言う)
  • ひかりの入院
  • 美空の新しい夢(保育士)について

『ありか』というタイトルの意味は?

ファミレス、母親のアパートの内装イメージ

「ありか(在り処)」とは人の存在している場所、居場所などのこと。

分かりやすくタイトル回収はされませんが、作中で「ありか」を意識する重大な出来事がいくつか起こっています。

一つは行方をくらませた颯斗君。

「どこにいるのか?」と、美空は考え尽くして「ランドセルを買った日に一緒に行ったファミレス」に辿り着きました。

颯斗君のありかは「ファミレス」……つまり「ひかりとの思い出」にあった。

疎遠になろうとしたって、まだひかりの隣に居場所がほしかったということです。

そして美空。

「母親のアパートに既に私の居場所はない」と認めて受け入れ、

高校三年生の時は諦めた保育士の夢を「大人だから自分で決めた場所へ進むことができる」と再び追い始めました。

自分のありかは自分で決められる。

当たり前のようで、育った環境によっては難しいこれを、

本作はタイトルと中身で考えさせてくれます。

読書感想

作中に登場する鳥。ルリビタキとハクセキレイ。

読み始めてすぐ、5年以上前に読んだ『そして、バトンは渡された』の人だ!と思い当たりました。

これです。
そして、バトンは渡された|あらすじと名言3選【本屋大賞】

血のつながりより、温かいつながりがある。

心の支えになっているのは、近しい人より少し離れた人。

そして毒親の支配から、離れて住んで母親になっても抜け出せない女性……

既視感がすごい。あちらは娘視点でしたけどね。

子供のなにげない疑問に乗っかって進む会話。軽やかで賑やかで、幸せ感にあふれていて素敵でした。

だからこそ際立つ、母親の毒。このあたりは本当に「人の心無いんか?」の連続でしたが、

それを反面教師として、過去の自分がしてほしかったことをひかりに実行する美空、凄いと思います。

一番好きなシーンはショッピングモールのところ。

ひかりがショッピングモールで選んだイルカのぬいぐるみイメージ

「好きなものを選んでいい」と言われても、母が満足するものを買おうとしていた自分を思い出し、

「うん。ひかりがものすごーく喜ばないと、おじいちゃんもおばあちゃんも颯斗君も、ついでにママもがっかりしちゃう」

瀬尾まいこ『ありか』より引用

と言葉をかける。

隣にいながらも、子供の本当に自由な感情を絶対にさえぎらない。

そんな母親、中々いませんよね。
だからこそ子供の方も、なんの負担も感じず母親の喜ぶことを自然に考えられる。

うーん美しい。羨ましい。

強くなっていく母親の物語。心が温かくなるので、是非読んでみてください。

瀬尾まいこの著作でおすすめのもの▼

そして、バトンは渡された(2019年本屋大賞受賞)

こちらも子育てもの。
毒親や、血のつながりがない人物が子育てを担うという部分は『ありか』と通づるところがあります。

タイトルの意味が分かったらジワリときます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました