歴史ファンタジー小説『イクサガミ』に登場する、流派『京八流』。
主人公・愁二郎はこの『京八流』の継承戦から逃げてきましたが、それは正解なのか?
この記事では
- 奥義『京八流』とは結局なんなのか?成り立ち・秘密・完成形は?
- 弟子たち8人はそれぞれどういう人物なのか?
- 最終的に誰がどの奥義を持つのか?
ということを解説していきます!
目次
【概要】京八流とは?

京八流とはどのようなものか?まずは表でまとめてみました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 起源 | 源平の頃、鬼一法眼という者が編み出した。最古の剣術とされる。 |
| 継承方式 | 常に八人の継承者候補を選び、九分九厘までは同じことを学ぶ。 残りの一分だけ、それぞれが個別奥義を学ぶ。 |
| 個別奥義 | 北斗七星・北辰の名がつけられた奥義が計八つある。 |
| 奥義の性質 | 「きっかけ」さえ口伝すれば即座に習得可能。だが模倣は不可能。 ⇒死に際でも継承できる |
| 継承戦 | 現継承者が壮健なうちに、候補八人が互いに殺し合う形で継承者を決める。 ⇒本来は一人一つ継承だったが、イクサガミを目指した八坂刀斎が「一人で八つ継承」の継承戦を始めてしまった |
| 権力者との関係 | 権力者のもとを訪れ、「庇護すれば敵を一度だけ討つ」「拒めば殺す」と脅し、 鎌倉幕府から徳川幕府まで歴代政権に庇護されてきた。 幕府から金銭的援助を受けている |
この継承戦(義兄弟たちとの殺し合い)が嫌で、愁二郎は物語開始13年前に山から逃亡した…という経緯がありました。
ポイント解説

- 継承戦を拒否して逃げると、お目付け役的な人物『幻刀斎』が追ってきて家族もろとも始末される。
幻刀斎とは?:イクサガミ『幻刀斎』の正体は?過去で「イクサガミ」の意味判明 - 奥義同士には相性があり、隣り合う技は干渉し合うが、対角にある技同士は相性が良い。
⇒故に一人が全部を継承するより、一つずつ継承した八人が力を合わせるほうが強い。 - 継承は、誰かが死んだときに他の者に受け継ぐためのもの。本来は「慈愛」の流派である。
- 心を持って究めることで「イクサガミ」に至るという伝説がある(詳しく)
八つの奥義と最終継承者までの推移

京八流八つの奥義と、継承者の推移です。
誰かに奥義を譲るのは基本死に際なので、多大なネタバレが含まれます。ご注意ください。
| 奥義名 | 部位・特性 |
|---|---|
| 北辰 赤池一貫 →嵯峨愁二郎 | 目の奥義。 敵の筋の動きを見抜き、先を読む。 |
| 武曲 嵯峨愁二郎 | 脚の奥義。 軽やかに舞い、相手を翻弄する。 |
| 禄存 祇園三助 →衣笠彩八 →化野四蔵 →嵯峨愁二郎 | 耳の奥義。 遠くの微音を拾い、自身の足音をも消す。 |
| 破軍 化野四蔵 →嵯峨愁二郎 | 腕の奥義。 怪力で武器を粉砕する。 |
| 巨門 壬生風五郎 →化野四蔵 →嵯峨愁二郎 | 胴の奥義。 筋肉を硬化させ、斬撃を防ぐ。 |
| 貪狼 蹴上甚六 →嵯峨愁二郎 | 肌の奥義。 攻撃に自動で反応して防御。 |
| 廉貞 烏丸七弥 →化野四蔵 →嵯峨愁二郎 | 口の奥義。 呼吸法で一時的に身体能力を増幅。 |
| 文曲 衣笠彩八 →嵯峨愁二郎 | 指の奥義。 剣をありえない軌道へ曲げる。 |
奥義の相性▼

どんな人物?愁二郎の義兄弟

京八流継承戦を行う予定だった愁二郎の義兄弟たち。
- それぞれどのような人物なのか?
- 完結時点で生きているのか死んでいるのか?
- 死んだ理由は?
ということを、簡単に紹介します。
尚、蟲毒に参加しているのは蠱毒開始時に生存している5名…「愁二郎」「三助」「四蔵」「甚六」「彩八」。
三助以外は「残り9名」にも残っています。
赤池 一貫(不参加)
読み:あかいけ いっかん。
愁二郎が物語開始の4年前に再会。
死に際に愁二郎に「北辰」を託したらしいが、詳しいことは描かれていない。
嵯峨 愁二郎(参加)
主人公・28歳。
義兄弟たちと殺し合いすることを良しとせず、継承戦から逃走を図った。
山を降りた後は、薩摩藩に剣を売り込み『『刻舟(こくしゅう)』として戦争に参加していたことも。
妻子+妻の診療所の者をコレラから救うため、大金が必要である。
物語ラストは、多分生きている。
祇園 三助(参加)
七弥が家族ともども斬られたのを見て、継承戦を終わらせようと焦っている。
(妻と二人の子供がいる)
蠱毒初期に、幻刀斎相手に時間を稼いで敗れる。
化野 四蔵(参加)
読み:あだしの しくら。
兄弟の中でも最も才のある人物。
山を降りる後は「田中次郎」という偽名で軍人をしていた。
蠱毒では最後の最後まで残り、幻刀斎も討ったが、
蠱毒終了直前、疲れ切った体で天明刀弥と戦い敗れる。
愁二郎に持ちうる全奥義と想いを託す。
壬生 風五郎(不参加)
読み:みぶ ふうごろう。
軍人となった四蔵に「巨門」を教えた半年後、幻刀斎に斬られた。
蹴上甚六(参加)
読み:けあげ じんろく。
兄弟の中で一番情に熱く、継承戦から逃げた愁二郎を肯定した人物。
貪狼を鍛え、本名で軍人に。物語以前に二度も幻刀斎と戦っていた。
2巻にて人々が行き交う横浜港で幻刀斎と対峙するが、軍の銃撃を防ぎきれずに致命傷を負い……
貪狼を愁二郎に託す。
烏丸 七弥(不参加)
読み:からすま しちや。
兄弟の中でも一番優しい。
山を降りた後、助けた女に一目ぼれされ役人の婿養子になったが……
物語開始四年前に、幻刀斎に切られた。
妻・幼い子供・義父も巻き添えになった。
衣笠 彩八(参加)
読み:きぬがさ いろは。
山を降りた後は旅一座に所属していた。
最初こそ双葉を突き放すような態度を取っていたが、しだいに守るようになる。
三助から継いだ「禄存」(地獄耳的な能力)は出番多め。
幻刀斎と新富座で戦い、敗れる。
まとめ

京八流についてまとめると……
- 鬼一法眼が源平期に編み出した最古の剣術。
- 八人の候補者が同じ修行をし、最後の一分だけ異なる奥義を学ぶ。
- 奥義は北斗七星にちなむ八種(北辰・武曲・禄存・破軍・巨門・貪狼・廉貞・文曲)。
- 継承戦は八人の殺し合いで行われ、勝者が継承者となる。
- 愁二郎はこの継承戦から逃亡。追手「幻刀斎」に狙われる。
- 奥義同士には相性があり、対角は相性良く、隣同士は干渉する。
- 一人で全てを継ぐより、八人で分け合う方が本来の形。
- 京八流は「慈愛」を重んじる流派で、究めると「イクサガミ」に至るとされる。
ということでした!
参考になれば幸いです。

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